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「アベンジャーズ」と「半沢直樹」と「セックス・アンド・ザ・シティ」。あるいは、男はカタルシス・女はドラマ。

半沢直樹、来年4月に、リメイクするそうですね。

以前、ある雑誌から、「働く女性の恋と仕事を描いた映画・ドラマを紹介して欲しい」という依頼がありました。

そのとき、気づいたのが、女性の共感・支持を得ている物語には「複数主人公」が多いということ。

そのもっとも顕著な例にして、スタンダード中のスタンダードが、「セックス・アンド・ザ・シティ」です。

(余談ですが、妻の挙げるオールタイムベスト海外ドラマトップ3は、「ツイン・ピークス」「セックス・アンド・ザ・シティ」「ブレイキング・バッド」だそうです)

さて、1998年から2004年にかけてアメリカで放送され、映画化もされたこのドラマは、4人の異なるタイプの女性が登場します。

キャリア志向の弁護士、夢見がちで結婚願望の強い女性、肉食系の会社社長、恋愛体質のコラムニスト・・・。

見ているほうとしては、「キャリーのこの部分は私と似ている」「サマンサのこの部分は共感できる」と、自分を部分的に重ね合わせながら見ることができます。

いまはこんな時期、だけど、ちょっと前はこのキャラクターみたいなことを考えてた、でもって、この登場人物の気持ちもわからなくはない……。

これに限らず、数人の女性を主人公として据え、異なった職業・年齢・境遇の彼女たちの生きざまをつづった作品は実に多い。いま思いつきましたが、タラレバ娘もそうですね。

さて、それに比べると男性の人生は、出世・名誉・お金と、比較的シンプル。もちろん、その様相は変わりつつあるとはいえ、まだまだシンプル、単純、わかりやすい。

だからこそ「半沢直樹」のような、一人の主人公による単純な物語に、すべての男性が感情移入できるというわけです。

主人公がいて、敵がいて、最後にはぶっつぶす! 倍返しだ!

少年ジャンプに代表されるように、男の子文化は、わかりやすくて、シンプルで、だからこそのカタルシスがある。勧善懲悪。

女の子文化は、多様で、複雑で、いろんな人がいて、いろんな感情がうごめく。そこにこそ、ドラマがある。群像劇。人間模様。

男はカタルシス、女はドラマ、ということも言えそうです。

そうそう。

頭を空っぽにして見られる映画の代表、といえば、ハリウッドであり、マーベルです(もちろん、妻からは評判が悪い)

マーベル映画「アベンジャーズ」の最新作は、これまで登場してきたいろんなキャラクターが総登場と聞いています。ということは、たくさんの登場人物による人間模様も描かれるはず?

どんなカタルシスとどんなドラマがあるのか、楽しみです(やっぱり見に行こう!)。

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