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早期から病棟見学へ行く意味

今日は、僕が所属している大学病院のNICUへ見学に行ってきました。

新生児特定集中治療室(しんせいじとくていしゅうちゅうちりょうしつ)は、病院において早産児や低出生体重児、または何らかの疾患のある新生児を集中的に管理・治療する集中治療室である。NICU (Neonatal Intensive Care Unit) の略語で呼ばれることが多い。(wikipedia)

“ICU = 集中治療室”、という言葉はドラマなどで度々目にする言葉だと思います。それに“新生児 = neonate”の“N”を付けて、NICU。ちなみに新生児とは、生まれた0日目から28日目(4週間)までのこどもを指している。

生まれて間もない、そして集中的な治療が必要な赤ちゃんたちが集まっている病棟での見学。その前後として切り離せない、緊急切開手術の現場や、1ヶ月後健診の外来にも同伴をさせて頂いて、非常に充実した時間となりました。

僕には特に強固な動機がある訳ではないものの、医大に入学して早々、小児科に惹かれている。それ以来、これまで長期休みがある時には、こうして小児病棟に足を運ばさせてもらっています。

今回見学をさせてもらって、ようやく少しは医療スタッフのあいだで行われるやりとりの意味、医療用語や治療の流れについて理解し始めてきた感覚がある。逆にいえば、これまでは彼らの話している内容はほぼさっぱりわからなかった。

それじゃあなぜいくの?意味なくない?という疑問を浮かべる人もいるかもしれません。実際、低学年の頃に見学へ行くと、「まったく意味ないね〜」と面と向かって言ってくる医師もいた。それは、僕からしたら「とんでもない」、なわけですが。

学校にいれば、朝から晩まで「これを覚えろ」「あれが大事だ」「それが試験に出る」なんて無機質な講義に晒されて、肩も頭も凝り固まってしまう。

それが、病院という現場にいけば実際に困っている患者さんがいて、その患者さんと真剣に向き合う医療スタッフがいる。そしてそのスタッフの知識や技術、コミュニケーションのひとつひとつに救われる命があり、救われる人生がある。そこでかけてもらえる、「ありがとう」という言葉。その場にいさせてもらうことで、たとえ一つ一つの専門用語はわからなくとも、僕自身に一瞬で思い出させてくれることがあるのです。

「あ、そうだ。自分はこれをしたくて、これをできるようになりたくて、今勉強しているんだった」

そうやって僕は、これまで(何とか)モチベーションを保ってやってきました。もちろん、行くことによるメリットはそれだけじゃない。教科書を10回読み直してもてんで覚えられなかった病気を、目の前の赤ちゃんがその病気を患っている。それをチームで治す医療スタッフがいる。ほんの一瞬で、もう二度と忘れられない病名になります。

今年はCBTという初めての全国共通試験があって、初めてこれまで勉強してきた知識を網羅的に問われることになる。これを無事に乗り越えられたら晴れて臨床現場に出て行くことができるのだけど、その時こそはしっかり、医療スタッフの会話の内容にもついていける自分でありたいなと思います。

今週もいい一週間にできたら。おやすみなさい。

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