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Apple Musicという桃源郷

このnoteにも既に何度か登場している、“Apple Music”という言葉。最近ではだいぶ利用者も増えてきた気がしますが、ご存知でない方もまだいるでしょうか。

Apple Musicとは、iPhoneやiPadでも有名なApple社が提供する、音楽配信サービス。月々1,000円(学生は500円)を支払って登録すると、5,000万曲(!)もの音楽が聴きたい放題、ダウンロードし放題となります。

かつてのCDやiTunesのように「1枚いくら、1曲いくら」という買い切り型ではなく、「月額いくら」というサブスクリプション(=定期購読)型のサービス。このような定額制サービスの形は音楽(Apple Music, Spotify, etc.)だけでなく、映像(Netflix, Hulu, etc.)や書籍(Kindle unlimited, dマガジン, etc)、はては食事(“野郎ラーメン”というお店は月額8,600円で1日1杯食べられるパスポートを発行!)にまで飛び火し、今の世の中を席巻しているサービスモデルといっていいと思います。

僕が最初にApple Musicというサービスを使ったとき、その衝撃はかつてなく大きなものでした。好きなアーティストがリリースした新譜、忘れかけていた大好きな曲、友達から勧めてもらったアルバム...、ありとあらゆる音楽が、高音質で聴き放題であるというこの状況は、まさに「信じられない」ものだったんです。

中でも、おそらく僕はこのサービスの恩恵を特に受けている部類の人間ではないかな、と思います。その理由は、「 “好きな雰囲気の曲”は明確にあるが、“好きなアーティスト”はいない」というあまり一般的でなさそうな嗜好を自分が持っているから。

これまでの音楽の聞き方として、なぜだかわからないのですが、特定のアーティストをとことん掘り下げるということをほとんどして来ませんでした。好きなアーティストがいたとして、その人のアルバムを聴く。すると中には全曲通してめちゃくちゃいい、という“名盤”に巡り合う幸運もたまには恵まれますが、ほとんどの場合、一度目の段階で「何度も聞きたい曲」と「もう聞かなくていい曲」に頭の中で仕分けが始まります。そして聞きたい曲だけを、自分のMDなりiTunesなりに入れるということをしてきたんですね。ある意味、とてもドライな音楽の付き合い方ともいえると思います。

どんなに好きな曲を演奏しているアーティストでも、他の曲も好きになるかどうかはまったくの別問題で、むしろ経験的に可能性は低い場合が多い。1枚のアルバムの中で、せいぜい1曲(多くて2曲)、「これは」という曲があればいいなというそんな肌感覚です。そんな僕にとって、1枚3,000円もするアルバムCDを買うことは、コストとパフォーマンスの釣り合いがまったく取れていませんでした。

(つづく)

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