覇王列伝 ! さらば、ウィリーウィリアムス
極真空手の猛者の中でアメリカ出身選手と言えば、真っ先に名前があがるのがウィリー・ウィリアムスです。
故・大山倍達総裁の愛弟子として長らく空手界に君臨した彼は、まさしく極真全盛時代を象徴する選手でした。
その勇猛果敢なパワーで圧しまくるインファイトは、かの天才、フランシスコ・フィリョが出てくるまで、外国人空手家の脅威でした。
身長201cm、体重130kgの恵まれた体格で映画「地上最強のカラテ part 2」ではグリズリー(熊)と闘ったという超人的な破壊力を持ち、他流試合を禁じた極真に逆らって破門を受けてまで異種格闘技戦に挑んだ彼は、かのアントニオ猪木を引き分けに持ち込む堂々とした試合を披露。
武道家らしく礼儀正しい謙虚な一面があり、稽古熱心で優しい男だったと言われています。
ハワード・コリンズや佐竹雅昭に判定で敗れるなど、その恵まれた体格を充分生かし切れてなかったり、ここいちばんの勝負運が無い側面もありました。
一説には八百長を持ち掛けられ、酒で悲しみを払拭(ふっしょく)していたという証言すらあります。
しかし、どこの世界に2メートル・130キロの選手をKOできる選手がいるでしょうか。
まさしく彼は「地上最強のカラテ」の体現者だったであろうことはまちがいありません。
やはり、彼は誰もが認める偉大な空手家でした。
2019年6月7日。彼は心臓病で67歳の生涯を終えました。
晩年の彼は故郷に戻り、木彫りのクラフトマンや幼稚園バスの運転手をしていたそうです。
優しかった男。
いつも笑顔で迎えに来てくれる優しい運転手のおじさんが、かつて熊すら殺したファイターだった.........................。
それを知る園児は、誰も居なかったといいます。
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