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心を動かす展示場のつくりかた

「伝説の営業マン」の話から学ぶ展示場のつくりかた

冬の寒さがまだ残るある2月の終わり、駅前に目の見えない男性が座っていました。男性の前には「私は目が見えません」と書かれたプラカードと寄付を募る箱が置かれていましたが、人々は男性の存在に気づかないように目の前を通り過ぎて行きます。そこにある、伝説の営業マンが通りかかって、男性にこう言いました。

「あなたにもっと優しさが集まるようにしてあげよう」

そう言って、伝説の営業マンは胸元から取り出したペンでプラカードにサラサラと一文を付け加えたのでした。

あなたの展示場は見る人に「自分ごと化」させていますか?

この話、広告業界でも有名な実話だそうです。

相手の立場を思いやる、顧客目線になる、ということはわかっていても、実際に行動できる人は多くありません。実際の販売現場には一方的に機能の押し付けのような文言に溢れています。

「スマアシ」
「エコアイドル」
「両側スライド」

なぜ、その機能が必要なのか?便利なのか?を伝える場所がお店です。つまり、見る人にとって「自分ごと」に置き換えて伝えていないのです。

ところで、伝説の営業マンは何と書いたかって?

それはたった一文「もうすぐ春が訪れます」と書いたのでした。万人共通の出来事「春を感じる」ことで見る人に一度、自分ごと視点へと変えさせたのです(これを心理学でフレーミングと言います)。

そして、その春を感じられる自分と目の見えない男性との境遇の差を思い、寄付を募る箱にはあっという間にセント硬貨で溢れていきました。

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メリットに感じるポイントは人によってそれぞれ違う

先ほどの話は展示場を訪れるお客様に対しても同じことが言えます。

例えば、スライドドア機能であればメリットは人によって変わります。スーパーに毎日買い物に行く女性にとっては、狭い駐車場で隣の車を気にしないでドアを開けられるメリットを最重視するかもしれません。

大切なことは見る人にとっての「自分ごと化」としてきちんと伝えられているかどうかが大切なのです。

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