恐怖と、それを上回る多幸感【ポケモンDLC番外編 感想】

ポケットモンスター スカーレット・バイオレットの追加コンテンツ、ゼロの秘宝番外編「キビキビパニック」のネタバレあり感想です。クリア後にご覧ください。

SV本編の感想はこちら。

DLCの感想はこちら。

以下、ネタバレ注意!!









ストーリー感想

まず最初に。めちゃくちゃ良かったです。
自分がこの番外編に求めていたものは、
・ペパー・ネモ・ボタンの3人との新イベントと3人とキタカミを歩くこと
・あわよくばスグリとの再会
伏線回収やストーリーに過度な期待はせず、それだけを楽しむつもりだった。

求めていたものは、番外編にあったのか。

・3人との新イベントとキタカミを歩く→キタカミを歩くのは少なめだった。でも、クリア後の特別講師含めて新イベントはたっぷりだったためあまり気にならず。

・スグリとの再会→しっかりとあったし、しっかりと今回の相棒。行動と共闘がたくさんできて嬉しかった。しかもこの番外編がきっかけでスグリは復学の決意をして学園に戻ってきた。
求めていたもの…。ここにあったよ…。

次は思ったことを語ります。

・始め方がオシャレ
ふしぎなおくりものの「まぼろしモモン」を受け取るのが条件。そしてそれを、まぼろしモモンのCMで発表するとはオシャレ!
…でもこの時点でちょっと怖かった。

・恐怖体験
モモワロウのもちを食べた人々の目の色が変わり、キビキビ踊るようになってしまうのがとても怖かった。特にゼイユの登場シーン。スッと画面に映り込む怖い目のゼイユにビビり散らかした。
自分はウイルスや感染などが大の苦手なので、キビキビの被害が広がっていくのがギャグシーンには思えなかった。ホラーだよこれ。
怖いから夜中に配信すな〜〜!!

・キャラ描写から得られる多幸感
キャラクター同士の会話、イベント、接し方から感じられる仲の良さ。
多幸感の成分が多量に含まれていた。
ペパーの言葉を借りれば、「取りすぎていいやつだぜ、それ」。この多幸感があったから、恐怖に耐えられたんだと思う。
特に、相互仲良し関係の多さ。
主人公の家に集まるところや色々な事件の中で、主人公↔︎3人 だけでなくネモ↔︎ボタン、ペパー↔︎ボタン、ネモ↔︎ペパーの仲良し描写が見られて幸せだった。ボタンの「これこそがザ・ネモなのです」にうんうん頷いているペパーなんて最高だった。
スグリに共感するボタン、最初は張り合うけど態度を改めるペパー、戦いたがるネモ、といったようにスグリと各々で関係を形成しているのも良かった。
出会いのきっかけは主人公でも、主人公を挟まない関係性ができていくのは素晴らしいことです。
スグリもゼイユの理不尽に立ち向かえるようになっていたし、一方的でない関係ってめちゃくちゃ良いなと思いました。

・バトル
スグリと共闘になる最初のバトルの時、たまたま先頭にいたのがブルーベリー学園攻略に使っていたミロカロス。水オーガポンと組み合わせる前提でウェポンがなみのりだから使いづらいかと思ったらスグリが出したポケモンはニョロボン。ハッとしてなみのりを押したら、やはりニョロボンの特性はちょすい。ニョロボンがはらだいこで削ったHPの回復までできる。
完璧なコンビネーションプレイができた。スグリとの和解を証明できた気がして嬉しかった。
そこからはスグリとの共闘はミロカロスが大活躍。かちきだからいかくポケモンはカモだった。アーボックマタドガスとかいうロケット団みたいな手持ちの爺さん婆さんが印象的。

モモワロウとオーガポン
モモワロウとともっこ、オーガポンにまつわる話の回収には期待していなかったので、全く気にしていない。
そもそもポケモンシリーズ、今まででも全ての謎が明らかになっている訳ではないはず。BWや剣盾の英雄なんかも掘り下げは別になかったし、モモワロウたちの過去はただの世界観の一部であり伏線ではないと思っています。

おかえり、スグリ
新しい友達とができて出会い、主人公との協力による成功体験で前を向けたスグリはブルーベリー学園に復学。本格的なやり直しに向かいましたとさ。めでたしめでたし!ドーンとハッピーエンド!

キャラクター感想

・スグリ
後編の髪型・服装に前編の柔らかい表情と言動。強さと優しさを備えた完璧な状態のスグリ。あの時期があったから今のスグリがある、決して無駄なんかじゃないと肯定されている。それのなんと嬉しいことか…。
(でも貧乏ゆすりはやめた方がいいと思います、普通に癖なんだろうけど)
「背中はまかせた!」の選択肢が出たから雄叫びを上げながら迷わず押したのは私です。スグリと主人公の、「超えられないけれど並び立って助け合える友達」という藍の円盤後の関係が強調されていて良かった。これが今のおれらだ!!
キビキビの大群を1人で抑え込んだスグリはやっぱり凄く強いよ。
リーグ部再戦のスグリのテラスタルモーションは、チャンピオン時代と同じ不動。テラパゴスが異質だっただけで、強さはしっかり保っている。

スグリのアイデンティティは「主人公の影であること」にあると思っている。何もかも主人公に奪われてしまう存在。
でもスグリは事件解決後、ペパーの「そーゆーのはやっぱり(主人公)が捕まえちまうんだよな」という言葉に「あははは んだな!」と笑顔で返せるようになった。
スグリはもう主人公の影から脱却していることがこのセリフから分かる。
妬み悩み苦しみを乗り越えた先には、今回の番外編で見せた「助け合える友達としてのスグリ」がいた。そしてそれは、とても魅力的だった。
これからは、主人公の影ではないスグリを応援していきたい。

・ペパー
第一印象最悪男っぷりは対スグリでも遺憾無く発揮される。
ことあるごとに主人公と仲の良いスグリに張り合い親友マウントを取ろうとするペパー、良過ぎた。彼は本当に愛情深い人間だ。
あとは人の親に感傷を見せるところも良かった。でもやり過ぎは微妙な空気になっちゃうよ。
ペパーが交換してくれるポケモン、ホシガリスなんだ。てっきりオラチフかと…。マフィティフは唯一無二ってことね。

・ネモ
家のお手伝いを買って出るところを見てさすがお嬢様、育ちが良いなと感心したのも束の間。
スグリに速攻勝負挑むわ、ボロ勝ちするわ、呪いの中で若干の自我を保ってるわ、ゼイユスグリと十戦以上するわで恐ろしい。何があってもブレないバトルジャンキーは尊敬の域だよもはや…。
呪われているにも関わらずモーションはいつも通りなの、地味にやばいよ。ジャラランガやヨノワールを仲間に入れてるのに加え、地味にラウドボーンのテラスタイプを変えてきてたのが意外だった。絶対炎テラスでしょとタカを括ってしまいワンパンできなかった。そんなん考慮しとらんよ…。
交換でもらえたケンタロスに努力値振られてて笑いました。レベルが50なのも。

・ボタン
本編の時より笑顔と口数が多くてこちらまで笑顔になった。ザ・ホームウェイの4人組、ボタンにとって本当に居心地が良いんだろうなと分かってめちゃくちゃ良い。
ピオニー隊長と会話してるところが見られたのも良かった。
でも、語彙がちょっとオタク過ぎる。「スマホロトムをお持ちでない!?」なんて、どうしても「タイプ相性をご存知でない!?」を想起してしまう。「だいじょぶ?ドン引きしとく?」は(ry

・ゼイユ
最初の登場本当怖かったんだから…。今回は呪われ状態での登場がメインだったからいつものゼイユがあまり見られなかったのは残念。
でもリーグ部部室でまた会える!!それが嬉しい!!!!!!

・モモワロウ
今回の元凶、悪のきび団子(もち)を使って人々を支配する恐ろしいポケモン。ポケモンで桃といえばモモンのみ、毒を消す木の実。それが毒タイプのポケモンで出てくるなんて皮肉。
桃太郎のように桃を割ったら本体が出るから桃割ろうでモモワロウかな。ちょんまげみたいなのあってそこも桃太郎ぽい。
A0厳選に計2時間かかった。でもこいつ、幻のポケモンらしいですね。じゃあランクマで使うことは当分ないし、厳選しなくて良かったかも…?

システム感想

特別講師の残り3枠はペパーネモボタンだった。嬉しい〜!!
それに、日替わりでスグリゼイユも来てくれる。素晴らしい。これを求めていたんだよ!!
スグリとの再会だけじゃなく、いつでも会える環境まで貰えた。文句なしです。
クリア後も会えて、話もできる。藍の円盤で一番の売りはこの特別講師システムだと思う。未完成だった三枠も番外編で完成した。
最高!!

スグリとペパーの部室会話で、手持ちから抜けたオオタチのことも「大切」と言っていたのが嬉しかった。オオタチ救済ルート、ありがとう…。
バトルを楽しむスグリも見せてくれて、ありがとう…。

BGM感想

ともっこ戦のBGMが好きだから、キビキビトレーナー戦の曲やモモワロウ戦がともっこ戦のアレンジなのが嬉しかった。
モモワロウ戦はイントロがともっこ戦だったから使い回しかと少しガッカリしたら…違った!!しっかりとアレンジBGM!!他のともっこよりも豪華なアレンジは、お供たちを統べる桃太郎だからかな。
部室ボタン戦はしっかりカシオペアで良かったし、ペパー、ゼイユもいつものBGM。
スグリ戦は大好きなスグリ3(チャンピオン)じゃなくてスグリ2(キタカミラスト)なのは残念。スグリ3は余裕のない苛烈なチャンピオン専用曲ってことね…。
ネモ戦も通常版だったし、チャンピオン戦BGMは大事なバトルでしか流れないのかも。

まとめ

碧の仮面・藍の円盤で見られなかった、3人の新イベントと姉弟との再会を補完する素晴らしい番外編でした。
姉弟との別れから少し時間を置くことで待望の再会になったので、後日配信戦略は大成功だと思います。
めでたしめでたし!!

読んでいただきありがとうございました。

おわり

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