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絣職人・葛西さんの想い

こんにちは!最近毎日楽しんで生きている塩田一平です。バイトがないから?肺気胸治ったから?そんなことはどうでもいい。とりあえず、人生一度きりしかないんだから毎日楽しんで生きたもん勝ちです、本当に!
ゼミ活動が楽しいから、これに尽きる!というわけで5回目の企業訪問に行ってまいりました!この日はいつもの企業訪問とは違ってグレードアップしてました。それはなぜか?というのが今回のnoteになっております。この日は、盛り沢山の内容だったのでnoteを二つに分けて書かせていただきたいと思います。まずは前編として、普段自分たちが足を運べないような場所へ行くことが出来たのでそのことについてこれから述べていきたいと思います。

絣工房訪問前の心情

まず、いとへんのスタジオにお邪魔させていただく前に、最年少の西陣絣加工士である葛西郁子さんが仕事をされている絣工房へお邪魔させていただきました!

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以前の企業訪問の際に、葛西さんの工房に行くことが決まっていたのでどんなところにあるんだろうと考えていたのですが、まさかこんな風情のある所に工房があるなんて...祖父母の家の雰囲気を感じ、入る前からワクワクが止まりませんでした。葛西さんは何度かYouTubeで拝見させていただいたことがあるのですが、実際にお会いするのは初めてだったので少し緊張してました。それでも、絣工房にお邪魔させていただくなんて貴重すぎる体験なので少しでも知識を得てやろう!っていう想いの方が強かったり...そんなことを考えながら葛西さんの待つ工房へ向かいました。

西陣絣加工士とは?

工房に入る前、とても緊張したのですが、第一印象がとても明るく、とてもユーモアな方だったので、自然と笑みがこぼれてしまいました。そこから緊張もほぐれたので軽く自己紹介を交わした後に葛西さんが生業とされている西陣絣加工士について説明してくださいました。葛西さんが仕事をされている工房から見て北の方角に位置するのが西陣と呼ばれる地域になっています。その西陣地域に織り屋(帯や着物を織っているメーカー)がたくさんあり、そこからの依頼を基に経糸を作る仕事をされています。職人は個人事業でバラバラでいるため、そこに発注をされており、私たちが企業訪問した際には帯の絣を作られていました。そして、図案を基に絣糸を作っているそうです!糸は縫ってるのではなく、括って染め上げており、その染め上がった糸をハシゴという西陣ならではの道具でずらしながら経糸を作っていることも西陣絣の特徴です。下の画像を見てほしいのですが、銀色の棒がたくさんあるのがわかりますよね?これがハシゴです。

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西陣絣加工士・・・絣を織る人ではなく絣をつくる人
糸染め屋さんや織り屋さん・・・糸を染めたり布を織る人。

1つのミスが命取り

 その後、実際に葛西さんがどのようにハシゴを使って経糸を作っているのかを少しだけ拝見させていただきました。仕事を拝見させていただいたうえで一つ大変だなと思ったことがありました。それは、幾つかの糸のまとまりを一つ一つのハシゴにかけながらの作業になるので、もしはしごをかける位置を間違えたり、まとまりの糸の太さが変わったりすると図案通りの模様にならないことです。つまり、西陣絣のきれいなデザインにずれが生じ、いびつな模様になってしまうのです。まさに、1つのミスが命取りになる作業でもあるのです。そして、この作業をしている葛西さんの表情は真剣そのもので、僕は恍惚の境地に置かれ、見入ってしまいました。ハシゴにかかる前までは各色に分けられて染め上がっているので、色が区切られているだけだった模様が、ハシゴを使うと、下の画像のように水色のバツ印が浮かび上がってくるのです!つまり、どこかがズレてしまうとバツ印の模様も出てこなくなるため、出来上がりの模様に支障が出てしまいます。

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すべて人の手によって作られているたくさんの魅力的な模様。コア層だけでなく、ライト層にも西陣絣の魅力を知ってほしいという気持ちがさらに高まりました。

最後に

 1時間にも満たない時間でしたが、葛西さんに会えたことや工房訪問、実際の業務観察などが出来たことは僕たちにとってかなり刺激になる体験でした。そして、工房を後にしようとしたときに葛西さんからある想いを託されました。それは、

より多くの人に西陣絣の魅力を伝えてね。

というものでした。僕は今回の工房訪問において肌で西陣絣加工士の気持ちや仕事に対する思い、そして西陣絣に対する愛を感じました。そのうえで最後に託された葛西さんからの想い。僕たち4代目・いとへんJrはしっかり受け取りました!年末あたり(予定)には、自分たちが開発した商品を発売しようと考えています。まあ、こちらに関しては後編にて…。

 訪問後に白須さんからお聞きしたのですが、ハシゴの作業を見れることはかなり稀なことらしいので、かなり貴重な工房をみせていただくことが出来ました。葛西さん、忙しい中で貴重な時間を割いていただき本当にありがとうございました。

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