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家族のカタチを広げるパートナーシップ制度の「今」

今年も来ましたプライド月間

みなさんこんにちは、今月のGenderTech Letterをお届けします!
6月は「プライド月間」にちなんで、パートナーシップ制度の「今」についてご紹介したいと思います。

6月の「プライド月間」は、世界各国でLGBTQ+の人権について啓発やイベントが活発的に実施されます。もう少し、詳しく知りたい方は、去年のGenderTech Letter記事をご参考ください。

日本でも、行政や民間など様々な団体がLGBTQ+について考え、活動を行っています。そうした中、行政では「性の多様性宣言」の発表や「パートナーシップ制度」の策定が行われるなどがあります。今回は、様々な市町村で設置されているパートナーシップ制度についてお話ししたいと思います。

行政のパートナーシップ制度の「今」

日本では、現在278の自治体が「パートナーシップ制度」を導入し、人口カバー率は68.4%となり、制度を導入する自治体が年々増えています。(2023年1月10日時点)。パートナーシップ制度による法的な効力はありませんが、各自治体によってパートナーシップ制度による利用可能な行政サービスも増え、LGBTQ+について話題にする人も増えています。

ですが、人口カバー率にばらつきがあるので、日本全国のLGBTQ+当事者が制度を利用できるわけではありません。また、自治体によって制度の内容が違ったりするため、利用したい行政サービスが自分たちの暮らす地域にない場合もあります。そんなデメリットを埋めるような、日本のどこに居ても民間サービスを利用できるパートナーシップ制度をご紹介したいと思います。

LGBTの現状と課題https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2017pdf/20171109003.pdf

Famieeの紹介

日本初「民間発行パートナーシップ証明書」を提供する一般社団法人Famieeは、行政のパートナーシップ制度とは違い、住んでいる場所に関わらず取得・利用ができる家族関係証明書を発行しています。

どんなことができるの?

一般社団法人Famieeが提供する「パートナーシップ証明書」は、申請から取得、証明書の利用までを、すべてスマホアプリケーションで完結させます。
銀行、通信、航空、保険、病院や企業などが賛同しており、サービスを受ける時、そして雇用者として権利を享受する時などに証明書を利用できます。
このような仕組みをFamieeは、情報の改ざんが不可能で暗号化技術を用いたセキュリティの高いブロックチェーン技術によって、安心した利用に繋げています。

ブロックチェーンとは?
ブロックチェーン技術とは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種

総務省

どんなメリットがあるの?

Famieeのパートナーシップ証明書の一番の特徴は、どこに住んでいても利用することができる点です。行政によるパートナーシップ制度は、対象の地域を出てしまうと無効になるのに対して、Famieeであれば「住む場所」に関わらず、同様のサービス/権利を受けることができます。
また、証明書発行から利用まで、スマートフォンから手続きをおこなうため、自分たちの関係をまだ周りに伝えたくない、と思う人たちが安心して申請することができます。

Famiee
https://www.famiee.com/top/

まとめ

今日の記事で、行政と民間団体それぞれが提供する「パートナーシップ」についてお話しました。どちらも、LGBTQ+当事者が思い描く家族の形のため、サービスを提供しており、選択肢が増えたように思えます。

今回記事を書く筆者は、体も性自認も女性ですが、性的指向は女性です。将来を考えた時、女性パートナーと一緒に生きていく中、行政のサポートなしで「私たちらしい家族」を実現できるだろうか、と不安に感じます。ここ2〜3年の間に、多くの自治体がパートナーシップ制度を取り入れる動きをみると希望が湧いてきますが、私が住む自治体では取り入れられていなかったり、利用できる行政サービスが少なかったりなど、まだまだ課題は多いと感じます。

いかがだったでしょうか、2023年5月30日には名古屋地方裁判所で、同性婚に関する判決も出ました。今月の「プライド月間」中に「LGBTQ+当事者がより生きやすくなるためには」を、みんなが一緒に考えることで、最初の一歩を踏み出せるかもしれませんね。

NHK「同性婚認めないのは憲法違反 違憲判断は全国2件目 名古屋地裁」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230530/k10014082521000.html


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