2017年のDTM総決算 - その2

その1から引き続きの記事です。

買って良かった音源・再評価した音源編

IK Multimedia MODO BASS

エレキベースしか入ってないけどTrillianを完璧に超えて1軍入りしました。ロックの8分刻みみたいな同音連打した時にの説得力がハンパないから、今までTrillianでは嘘っぽくならないように結構フレーズ過多気味だったのだけど、MODO BASSでは素直に8分でドドドド…ララララ…と刻めて良いです。あとスラップはリアルすぎるのでそれはTrillianの方が良いかも。

reFX NEXUS2

EDMフレーバー用シンセ。今更買った感があるけど、とにかく素直なのでSuper Sawが欲しいなって思った時に、適当にプリセットの中から選ぶだけで採用できるのがとっても良い。EDMのシンセってそこそこパンチがありつつシンプルな音色でいいんだけど、Massiveで作ってみてもショボくて納得行かなかったり、Omnisphereだと変化球すぎるのがネックだったんだけど、NEXUS2はとにかくいい感じにパンチがあり素直な音なのが最高です。あとエレベ的に使いたい時のシンセベースの音色もとてもPlayableで素晴らしいです。Massiveで1から作るのはかなり難しい(っていうかMassiveの性格的に中々太くならない気がする)し、Omniの奴はPlayableじゃなかったりするのだ。Synth Masterとか安くてよさ気なのを買うより素直にこれ買うのが一番満足度的には高いと思いました。ただOmniにある複雑で美しいPad,Arpとか、Massiveの超Coolなデジタル感みたいのは無いのでコレ1台でOKとは行きません。

Orchestra Tools The Timpani

Timpaniはオケ楽曲作るときにメチャクチャ大事なんだけど、EastWest製品のものだと硬さが無いのと、抜けが悪いので別のパーカッション音源の購入を検討していた。で、他の選択肢として現実的なCinePercやSpitfireのやつはすごく高い。Timpani以外の楽器のために何万円も出すのはなぁ…と思っていた所に発見した名門Orchestra ToolsのTimpani。Timpaniだけで売ってくれるのもすごくありがたいんだけど、多分今のところTimpaniの音源では一番素晴らしいです。5つのマレットの種類と、4種類のマイクポジションがあるので、固い〜柔らかい、近い〜遠いが自由自在でいいですね。自分はよくサントラにあるクローズ目で録音して強めにコンプで潰したような音が好きなんだけどそういう音に一番近い音が出る。打楽器は基本QLSOかHollywood Perc、Action Strike, Damageのいずれかなんだけど、Timpaniだけはいつもコレです。

EastWest QLSO(のスタッカートパッチや打楽器

自分がQLSOを導入したのは随分前で2011年くらいなんだけど、その時はちょっと不安定で重いなーというイメージでPlayエンジン自体が嫌いだった。それに加えてQLSOはレガートパッチがダメダメなのがあって自然と木管楽器→Vienna Instruments、ストリングス→LASSっていうふうに遷移していったのだけど、レガート以外のスタッカート系の音色が実はオケに混ぜた時にかなり生っぽく鳴るんだよね。更に良いのは普通のオーケストラ作品の時は当然だけど、フルートやバイオリンのスタッカートパッチやシロフォンやグロッケンなんかはPOPS楽曲に混ぜても生っぽくハマるのが良い。レガートがダメダメだから昔はバカにしてたけど、レガート以外のパッチはLASSやViennaより使いやすく最高でした。ステージの反響音がものすごくいい状態で録れてるから。その代わり室内楽的なこじんまりサウンドが欲しかったら素直にDryなLassやViennaが一番良いです。

EastWest Composer Cloud X

上記で書いたQLSOも入ってるEastWestの製品がほぼ全部使えるサブスクリプションサービス。元々楽曲にどうしても「二胡」やその他の民族楽器の音が必要で、微妙な専用音源を買って爆死するより、これに1ヶ月だけ入ってRaやSilkに入っている音源を使った方が安いや〜と思ってホイホイ契約したのだけど、Ra, Silkの他にVoice of Passion,Hollywoodシリーズ,StormDrumシリーズ,Ghost Writerというそんなに買う必要性を感じて無かった音源が意外とめちゃくちゃ使えるということがわかってすごく良かったです。CCのバージョンを無印じゃなくXにすることによって、1年間契約をしなくてはならなくなるけど、1ヶ月20ドルくらいだし、無印には無いクローズマイクが付いてくるので制作にも使えます。 Plusだと月々50ドルになってキツイですから…。またHollywood BrassはこれもQLSOと一緒でレガートは苦手なんだけど、スタッカートパッチがやはり優秀で、SusとAccent(Marcatoもあるよ!)が一緒になっているパッチを使えば、キースイッチ無しでベロシティとMod wheelのみでそこそこの金管トラックが作れる所が相当便利。またMod Wheelの効きも良いので金管楽器の重要な要素の一つであるCresc. Decresc.がかなりリアルに追い込めることと、ベロシティを強く弾けばスタッカートを鳴らしてくれる(パッチがある)ので、フォルテピアノ→クレシェンドのようなあるあるアーティキュレーションも簡単に出来ます。最近の使い方としては基本はHollywood Brassで強調したいレガート系フレーズにCineBrassのパッチを重ねるということをやっています。CineBrassだけでも良いんだけど、CineBrassはちょっと暴れ馬的なところがあって、細かい調整を考えると、制作のスピードはHollyWoodの方が断然早い。
Hollywoodと比べて、例えばGhostWriterはプロセッシングされたギターしか使わなかったり、Voice of Passionは民謡フレーズ集としてしか使ってなかったり、コンテンツの一部しか使ってない状態なんだけど、サブスクリプションだからそこまで罪悪感を感じないのがナイスです。

Heavyocity Damage

これはもうずっと前から持ってて、みなさんもすでにバリバリ使ってるかと思いますが、Loop音源としか認識してなかったこいつに入っているドラムの音色がすごい使えるということに気づいたのでノミネートしました。
タムとかエスニック系太鼓、メタル系は知っていたんだけど、「Damage Kit」というフォルダに入ってるハードなドラムっぽい音がそのままでも既存のドラムトラックに混ぜたりするだけでかなり存在感のある面白いものになります。
例えば澤野弘之さんとかがキメの曲でゴリゴリのデカいエピックなサウンドにしつつ、息の長いエモいメロディをトゥッティで演奏するような大編成の曲で普通にロックのリズムでドラムを入れたくなったときに、普通のドラムだけだとスネアが弱くて、ピッチを下げてもダメで打ち込み系のスネアに変えても音量はクリアしたけど何か世界観に合わない…という時がありますよね。そういうときにこのDamage Kit内にあるいい感じに歪んだ重いスネアをレイヤーしてあげるとちょうどパワフルなシネマティックサウンドになるんだよね。まぁ簡単に言うとメタルのドラマーがよくやってるトリガーの考え方と一緒なんだけど…とにかく、そのままだとその魅力に気づき辛いけど、レイヤーしてやるとちゃんとシネマ音源の役割が出てくるっていうパッチですね。

次の記事でも書くけど、なんとなく2017年は色んな意味で”レイヤー”がキーワードだったなぁ。

みんなの音源についての私見、感想も知りたいので、何かあれば是非シェアしてくれよな!!

その3に続く



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