生活と創造
『この生活というウスノロを乗り越えて』
佐野元春「情けない週末」という曲の一節である。
20歳くらいの頃からずっと、この言葉が胸に引っ掛かっている。
銀行に行ったり、スーパーで買い物をしたり、クルマを繰ってどこかへ誰かを送り届けたり。
生活ってまさに「ウスノロ」って感じがするのは、その対局に「クリエイティブ」があると錯覚しているから。
でもリアルな創造は、生活の先にこそある。
生活のなかから生み出される創造に、生活それ自体が圧倒されるから尊いのだ。化石燃料から生まれた二酸化炭素が地球の秩序を変化させていくように。
人間はそれを悪い事のように言うけれど、そのこと自体はただの現象でしかないわけで、答えがないという意味ではすごく創造的とも言える。
対岸から眺めているだけで何かが手に入るわけない。
悲しみや絶望も創造だと思えば、ずいぶん楽になれる気がしませんか。
『この生活というウスノロを乗り越えて』
もう一度口に出してみる。
銀行に行って強盗を働いてもいいかもしれないし、スーパーで買った商品を全部燃やしてもいい。
そう考えると、ずいぶん楽になれる気がしませんか。
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