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展覧会レポ:時空を超える旅「京都大学総合博物館」の常設展と企画展を体験

【約1,400文字、写真19枚】
 日本最大規模の大学博物館へ行ってきた。京都大学の総合博物館だ。そこでは、熱帯雨林の生態を観察する施設が再現されている。さらに6月頭まで、京都の縄文時代の企画展をやっている?!

■information
2023年度企画展 文化財発掘Ⅹ 「比叡山麓の縄文世界」
会期:2024年3月6日(水)~6月9日(日)
会場:京都大学総合博物館
住所:京都市左京区吉田本町
電話番号:075-753-3272
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日、火曜日(平日・祝日にかかわらず)
料金:一般 400円 / 大学生 300円 / 70歳以上または18歳未満の方無料
所要時間:約60分
混み具合:座っている監視員さんと同数ていど
写真撮影:全て可能
webサイト:https://www.museum.kyoto-u.ac.jp/

鉱物標本と展示用の木製棚

ランビルの森、樹の上へ!?

 「ほおー、花の香りを調べる装置かあ。素敵やん」この時はのんびりしたものだった。貴重な学術標本資料260万点も収蔵しているらしい。

これは何? 

 奥にスロープ、模型もある。

精巧な模型

 模型の写真、中央やや下をご覧いただきたい。木の周りに足場を確認いただけると思う。「学者先生がここへ行くわけ? 高所恐怖症の人は大丈夫かいな」

 この施設を、この博物館内に再現したってこと? と上を見れば、すべて理解できた。

ランビルの森、いざ体験!!

 「ランビルの森」は、東南アジアのマレー半島とフィリピンの中間、赤道直下に位置する島、ボルネオ島にある。
 聞き慣れないかもしれないが、わずか50haあたりに1,200種以上が生育しているらしい。それは日本列島全土の樹木の種類に匹敵するという!! とんでもない森なのだ。
 一体全体、動物との共生関係はどうなっているのか。その関係に迫るための観察施設として建設されたのだ。

 鬱蒼と茂る密林、高さ50-70メートルにもなる超高木。それが複雑な階層構造をもっているという。もちろん、まだよくわかっていない生態も多い。
「学者になれたと思ったら、50メートル超えの木に登るわけか??」わたしはこちらの階段で失礼して…

 私は立派な方向オンチであるが、虫も苦手だ。「生き物と共生」「宇宙船地球号の仲間」と頭でわかっていても、身体が反応してしまう²。
 生き物はみんな友だちっ! と言えればいいけど、好きになれない奴もいる。であるからして、まずは、ランビルの森でじっくり観察した気分を体験したい。

50メートルもこのハシゴ階段? 無理かも…

 途中、映像と音響効果によるスコールに見舞われる。過酷すぎない?

 木の間をつなぐ吊り橋まで追体験させてくれる。
    このサイズ感で、本物の鳥が動いているんだよね。「こわっ!」

企画展「文化財発掘X」比叡山麓の縄文世界

 守備範囲の広い博物館である。話はコロリと変わって、縄文時代。京都の比叡山から東山の一帯には縄文人の生活があったらしい¹。

縄文土器 注口土器

 あれ? これ、縄文時代? 実家にある急須に似てますけど? 煮炊きの跡もあって、モダンな模様も付いている。
 残存率の高い優品らしい。説明書きには「~類例はきわめて少なく、当遺跡以外ではほとんど出土しない。また、形態や模様などの出自も判然としない」とある。
 「おおー、めちゃくちゃ珍しいんだー。たしかに縄文時代の土器といえば、火炎に渦巻くイメージだもんなー。これ完全に急須だもんなー」
 特別ケースに1つだけ展示してある。突然これだけが出土されたなんて、ロマンを感じる。タイムマシン的な何か未知のチカラか、と訝しみながら後ろのケースをみれば…

 めっちゃあるやないかーい。
 このあたりで急須が流行ったのだろうか。(さっきの説明はなんだったのかな)

常設展、墓の下へ

 企画展の展示室を抜けると、吹き抜けになっており、冷たい風にかわる。

 白い大理石の階段を降りてゆくと…

吹き抜け2階からみた文化史ロビー展示の様子

 奥から古代の火葬骨をおさめた石櫃、古墳時代の巨大な石棺、手前にはキリシタン墓碑が並ぶ。

 博物館には、自然史、文化史、技術史が並ぶ。締めくくりがここ。まさに静謐な空間であった。


〈おまけ〉

京都大学総合博物館ミュージアムショップ「ミュゼップ」

 ついつい立ち寄ってしまうミュージアムショップ。商品のラインナップなどは、リンクをどうぞ。

 わたしは鉱物の木箱標本が気になりました。サイズも小ぶりで値段も1,000円未満。いいなーと眺めていたら、見つけてしまいました。「虫入り琥珀」オリジナル標本ケース入り!
 こちらの商品、店頭では3,000円代でした。いきなり買うには贅沢な買い物です。うむむむ。

 虫が苦手なのに、虫入りの琥珀がほしい。この矛盾はいったいなんでしょうかね。「ジュラシック・パーク」を撮ったスピルバーグ監督のせいかな。

付近の鴨川

 鴨川で頭を冷やすことにしました。そろそろ新緑の季節ですね。


ソース;
¹:フライヤー「比叡山麓の縄文世界」京都大学総合博物館、2023年度企画展
²:今関知良「虫嫌いの田舎暮らし」家の光協会、2004


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