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35.IT導入補助金の申請を断念した話

 僕は今とある中小企業(社員数10名程度)のIT導入サポートをやっています。その中でざっくり年間10万円くらいかかるツールがあり、そのシステムがIT導入補助金の対象となることを把握したので、申請をしようと考えていました。しかし色々あって、申請を断念しました。申請時に必ず事業者(ITベンダー)を介さなければならないという制約があったためです。

 単純に10万円のツールを導入したければ、自分でやるなら10万円払えば済みます。けれどそこに事業者が絡み、導入サポート云々となればそこに費用が追加されます。IT導入補助金はその費用も対象になりますが、全額を負担してくれるわけではありません。仮に事業者に払う費用が10万円だったとします。すると補助金が満額下りたとしても半分なので、ツール代とサポート費用合わせて20万円に対し、補助金は10万円。かかるお金は10万円で何も嬉しくない。これはあくまで簡易的な計算なので、場合によっては10万円を超えてくることもあるでしょう。

 事業者によりますが、サポートだけでなく抱き合わせで別のツールを売ってこようとしてくる場合もありました。役に立たなさそうなツールをセットにしないと、IT導入補助金の申請を受け付けないというとんでもない話です。正直、ITに疎い中小企業をカモにしようとしているとしか思えませんでした。

 諸々のことを検討し、少額なツール導入のために補助金を申請するのはメリットが少ないと判断し、IT導入補助金は見送ることにしました。もっと高額なシステムの導入であれば、事業者にうまみも持たせつつ、コストを大幅に減らすことも出来たのだろうと思います。10万円程度だと、むしろ損になりかねません。残念ですが、一つ勉強になりました。


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