オタク・ハイコンテクスト(7)

22歳って思ったより子供なのかもしれない。
起こるべくして起こった「海瑠&文音のマンデーラジオ」の軋轢について。


セカンドシーズンからチーム徳光に参加した吉田文音というキャラクターは、ファーストシーズン時には手取川海瑠のマネージャーとして東京から来ている「設定上」の人物であった。ファーストシーズンの手取川海瑠の大暴れが原因でガルラジ事務局をクビになった吉田文音はそもそもの地元であった石川県に戻ってくる。ざっくりした筋立てはこうだが、現時点の吉田文音の設定年齢は22歳。高卒なのか専門卒なのかは分からないが18歳か20歳で上京していることになる。はず。そして地方に住むガルラジパーソナリティの中で唯一東京を経験した人間でもある。

まず年齢の話から。少し身の上話を挟むと、僕は商業高校出身であり卒業生の半分はそのまま地元で就職するといった環境だった。SNS普及後の世代であるので、当時mixiなんかを覗けば同じ年齢のはずの人間たちから「単位がどうの」という話題と「会社の先輩がどうの」という話題が同時に発生してくる。

社会の4年は今となれば短いとも思うが、下に何かを教え始める事も出てくるような時期だ。つまり社会人としては新人の、子供に毛が生えたような程度の、経験値ではないだろう。プライドもハッキリしてくるし責任感も出てくる。片やまだ社会に出ていない同い年もそこそこに存在する。「もっと遊んどけばよかった」という無責任感と「今はもう仕事をしなければならない」という責任感が同居する「大人の立場」と「子供の自分」が同居する微妙な時期のはずだ。社会人未経験の人間に社会人なりのプレッシャーとプライドを押し付けてしまう可能性が一番高いタイミングでもあると考える。

これは個人的な感情も含んでいるが、高卒で上京するのは相当な覚悟が必要な行動だと感じる。やはりこのコンテンツ全体を通して感じる地方と都市の対立構造に乗せるなら上京に際して「石川を出るだけの」ただならぬ事情があったのではないかと邪推をしてしまう。ともあれ見知らぬ土地で慣れない仕事をした経験は、間違いなく強固なプライド形成に繋がるだろう。

例えどんな環境でどういう仕事をしていようが、18歳で地方から出て社会を4年経験した人間が「私が東京で何ができなかったって?」という言葉を14歳の少女に放ってしまう事に対して「仕方がない」と思えてしまうのである。年齢も、環境も、本当に微妙なバランスの上にあるのだ。

(ふと思ったのでここに挟むが、ラジオ局に関わる仕事をしているなら、上京して2年専門にいて社会人2年である方が現実的には自然な気がする)

手取川海瑠にとって吉田文音は憧れの存在であったに違いない。比較的年齢も近く「東京で働く人間のモデル」としては十分であったと考える。
どれだけ嫌な設定を付与されようが、勝手な企画を立てられようが、付いていっていた理由の一端ではあったはずだ。
そんな吉田さんなら東京行きを肯定してくれる、そう思うのもまた間違いないと考える。なのに否定された。何故?

何故か。吉田文音が今まで積んできた苦労や経験に対して、「東京に行く事」=「大成すること」とバカみたいに直結されて語られるのが、かつ「できなかったことをやってやる」とまで言ってのける浅はかさが、彼女のプライドを深く傷つけたのは間違いないだろう。
今回の一件はこの未熟な、若いプライドが原因で起きてしまった「22歳あるある」であるとも捉えられる。吉田文音もまた、まだ年端も行かない「少女」なのである。

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irifunehiro

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