見出し画像

震災とディッキンスンの詩

画像1

画像2

熊本城全体の復旧はまだ2割程度しか終わっていないそうだ。復旧がすべて完了するのは2037年度の予定で、まだ16年以上かかる。

画像3

『熊本城下町歴史鳥瞰図』

2016年熊本大地震から5年経過した。生まれて初めて避難所生活を経験した。自宅に帰っても水道、電気、ガスなどのインフラが復旧するまで不自由な生活を強いられた。

2011年東日本大震災後、天声人語(同年03月19日付)でエミリ・ディッキンスンの詩が引用されている。おそらく報道の姿勢と葛藤を表したものだろう。

Unto a broken heart
No other one may go
Without the high prerogative
Itself hath suffered too.

失意の胸へは
だれも踏み入ってはならない
自身が悩み苦しんだという
よほどの特権を持たずしては
              中島完 訳

幸い、この詩を意識するほど私と私の周辺にダメージはなかった。だが、地域によってはこの詩を必要とする人々がまだたくさんいる。

12月が近づいてくると、どうしても過去を振り返ってしまう。それは誰にでも与えられた「特権」であるから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?