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元日の夕時に襲った能登地震。
まだまだ救出が及ばないとの報道が続いており、段々と全容も見えつつありますが、その規模感や全体像が分からないほどの未曾有の災害となっています。

1,000件を超える全壊世帯もあるという報道や、既に50人以上の死者が確認されているなど、積み上がっていく数字に、心を痛めております。

熊本地震のときの直接死が50人だったと記憶していますので、いかに酷い惨劇かと想像を絶します。

津波や液状化などの被害もあるようですし、最も寒い季節での災害に、避難されている方々の心身に思いを馳せると、辛いばかりです。自分にできることはありませんが、せめて、心を寄せて、ニュースに注目しております。

全国から2,000人を超える緊急消防援助隊が現地に向かっているようです。
立地的な特性もあり、四方八方からの援助が入ってきにくい状態です。
陸路も整っていないとの報道もあります。
物資による援助などは、いまやPUSH型で、要請を待たずにどんどんと送り込まれているところと思います。
心苦しいところですが、ひとりひとりのニーズに合わせたPULL型の物資の輸送・配送は、なかなか届きません。


火災は大規模にわたり、町中を呑み込んだように見受けられます。
映像に映り込む家屋や車の大きさと比較して、その規模感を感じます。

消火にあたりたい消防車なども陸路の影響もあり、近付けなかったとの報道も見聞きしました。

倒れた家屋の中で、いまも救助を待っている人、連絡が取れない人もたくさんいるそうです。
救助隊や重機が入ってくることを待ち望んでおられることと思います。


こうして各種報道にかじりついていると、やはり思うことは、
『公助の限界』です。

公的な救助機能・被災者支援機能は、限界があります。
届かない、追いつかない、間に合わない、足りない。


公助と共助の間のような存在ですが、消防団の方々の活躍も見聞きします。
大規模火災の延焼防止線上で、懸命に放水している方の姿は消防団の方だと見受けました。

津波が来るとの予測で「消防団から声をかけられた」との報道も多く見ました。

地域に根付いた防災リーダーである消防団の皆さんの存在は、公的消防の限界を打破してくださる頼りになる存在だと改めて感じました。


それでも、まだまだ救出の手が足りません。
公助の限界を感じます。


やはり、これほどの大規模な災害となれば、共助のチカラが必須です。

現場で重たい物を持ち上げて救出する存在もそうですし、
こうして、国内中で心配や応援をする眼差しも共助のチカラへとなっていくと思います。
災害ボランティアはいまや欠かせない災害対応機関となっています。もう少し整備されたら、災害ボランティアの活動環境も整ってくると思います。


ついつい、公的な支援や
プロのレスキュー隊を頼りにしがちですが、
人間が本能的にもっている、助け合うチカラ。それを発揮していけたらと思います。



ふと、こんな経験を思い返しました。

レスキューのエキスパートたちの訓練があり、ぼくも安全管理として立ち会っていました。
大きな岩の下敷きになっている訓練用人形。この人を救出する想定です。

発見した隊員たちが集まって声をかけながらも、救出方法を探ります。
この大岩を、持ち上げるかズラすかしないと助かりません。

どこに支点をとるか?重機を持ってくるか?動線は?距離は?アプローチは?可搬式の救助資器材を持ってくるか?どこに力をかけて持ち上げるか?
様々なアイデアが出されながら検討をしていきますが、刻々と時間が経っていきます。

すると、、、一歩下がって見守っていた隊長さんが吠えます。

「何をしよんか!!急げ!!!」
「ごちゃごちゃ言ってねぇで早よ救出せんか!!!」

『よし!!!!』
一喝が入り、よほど焦りが募ります。。。

隊長さんが、前に進んできて、冷静に場を制します。
「いいか、よく聞け」
「お前ら、いま、何人おるんか?」
「全員で、この岩の持てるところを持って、持ち上げてみぃ。持てんならロープかけるなり何なり。資器材に頼るな、人の力で動かしてみろ」

『せーの!!!』

見事に岩が動き、要救助者に見立てた訓練用人形は救出されました。

すぐに集合がかかります。

「どんな災害でも、人のチカラが一番強い。便利な資機材や救出方法に頼ってしまう気持ちは分かるけど、人が集まれば、人のチカラを寄せ合った方が強いし、速い。この基本を忘れるな!」



今回の災害報道を見ていて、
この訓練時のエピソードを思い返しました。

重機や、プロの救助隊が来れなくっても、人が集まって、力を出し合う事。
もちろん重たいこと。動かない物。わかっています。

2人でダメなら5人で。
5人でダメなら10人で。
10人でダメなら20人で。

諦めない。
みんな集まってチカラを出し合うこと。


遠い九州から、ぼくなんかのたわごとかもしれませんし、
直接的に何もしてやれませんが、
エールにも似た、こんな想いが沸き上がってきました。


人のチカラを信じています。



今日もご覧いただきありがとうございます。
冒頭のステキなイラストは、ふうちゃん|noteさんの作品を使用させていただいています。いつもありがとうございます。



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<2年前の”今日”の記事★>

want to doより、
want to beの方が実現するそうです。

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