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うちの女優さん

毎朝、幼稚園行きたくないアピールしてくる私の可愛い娘さん。

家を出発した時は
「かーちゃん帰ったら一緒にあそぼーね!」
「かーちゃんすぐ迎えにきてね!」と明るく話していても

幼稚園の近くまで来たとわかるとピタリと足が止まる。

そして私の「どうしたの?」を待っている。

あー行きたくないなぁ。
かーちゃんと一緒にいたいなぁ。
かーちゃんとお家で遊びたいなぁ。

出た!時間稼ぎ作戦。

私はそんな娘の表情や言葉から、まんまと騙されて?
本気で可哀想だな…と思いながらも

「じゃあ、どうする?ここまで頑張って歩いてきたけど帰る?」と聞いてみる。

娘はちゃんとわかっている。

幼稚園には行かなきゃいけないんだろう。休めないだろう。と理解している。

だから必ず
「頑張って行くよ」と答える。

その言葉を待っていた私だけど何だか心がキューッと締め付けられる。

毎朝同じ状況で毎朝同じ会話をしているにも関わらず、なかなか慣れない。

今日はどうだったろう?楽しかったかな?と心配する気持ちがお迎えの歩くスピードを加速させる。

保育室から出てきた娘を見て少しだけホッとして今日はどんな話を聞かせてくれるかなと楽しみにしていると

担任の先生から
「◯◯ちゃん、ずっとニコニコでしたよ、おかーさん。もうね、お母さんとバイバイしたらスッとお部屋に入って自分からお友達のとこに行って好きな遊びしてはります。遠くに私がいるとキョロキョロ探して見つけたらニッコリ笑って手を振ってくれたりお話しにきてくれたりしますよ。」

……

え?ニコニコ?
本当ですか?笑っているんですか?
え?本当に?

いつもあんなに行きたくないって言ってるのに?歩かないのに?

あははは〜と先生。

「ね?◯◯ちゃん、今日も上手にお絵描きしたしジャンプしたり高いところ登ったりしたよねー?上手だったねー」

娘はニコニコ笑っている。

「そうそう、この笑顔。このニコニコですよーお母さん。」

マジか⁈

してやられた感。

夫がよく言っている。
我が娘は名女優だ!と。

涙を自由自在にあやつり時には心にスッと入るような言葉を使って甘えたりご機嫌とりしたり。

今まさにブチギレかけている、かーちゃんの怒りを鎮めたりもする。

娘が私と一緒にいたいのは本当なんだろう。
今から幼稚園に行き今日は何をするんだろうか?と考えると憂鬱になるのも本当。

だから娘の言葉や行動に嘘はないと思う。

ただ案ずるより産むが易しなのか
行ってみたらオモロイ事もそこそこあったやん!て感じなんだろう。

楽しくなかった日もある。
すっごく楽しかった日もある。

そんな日々の積み重ねがあり3学期が修了する頃にはまた大きく成長した姿を見せてくれるのだろう。

明日もまた「行きたくないな…かーちゃんと一緒にいたいな」から始まる朝なのかい?

もしかしたら来年はそんな言葉が聞けなくなるかもしれない。

そう思ったら、また幼稚園の近くで足がピタリと止まっても本気で心配するのではなく愛おしい娘を抱きしめたくなるんじゃないだろうか。

そして今日も元気いっぱい笑って遊んでおいで!かーちゃんは待っているから。
と送り出せる気がする。

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