見出し画像

圧巻の望海風斗トートに圧倒される

キャストが発表された時点でゴールデンメンバーに目がくらみ
その日を待ち望んでいたエリザベートガラコンサート。

我らが望海風斗様のトート閣下。

一言でいえば圧巻でした。

目線のひと遣りで空間を支配する。
その歌声がすべてを覆いつくす。

歴代のトート閣下には
黄泉の「帝王」といえばマリコさん
黄泉の「プリンス」みりおちゃん
「死」そのものだったまぁ様
という印象を抱いていました。

のぞ様のトートはまりこさんの
「帝王」寄りだった気がする。

シシィに拒絶されてちょっと悲しそうだったみりおちゃん。
シシィに拒絶されても最後に勝つのはこの俺だと確信していたのぞ様。

ネコを殺したルドルフに嫌悪感を抱くみりおちゃん。
ネコを殺したルドルフに何の動揺も示さないのぞ様。

それでも最後にみりおシシィを愛おしそうに抱きしめるトート閣下は
もはや「さゆみちゃん」を抱きしめているようで、幸せそうで
見ていてすべてが昇華されるかのような気持ちになった。

タトゥー風のメイクは昨日星組の「ロミオとジュリエット」を見た直後だったのでガラの悪いヴェローナの若者たちのヘッド感が...
今までありそうでなかったメイクですね。
「毒」が回ってますよー、みたいな。
ファントムの仮面の下はこんな感じ?みたいな。
ヒトが怖れ、忌むもの、「死」なんだな。

シシィは夢咲ねねちゃんとみりおちゃんの競演。
見る前は「みりおちゃんは歌上手いしねねちゃん不利かな?」
なんて失礼なことを思ってしまったのだけれど...

夢咲ねね、伊達にトップオブトップ柚希さんのお相手を長年務めていませんでした!

ねねちゃんには「可憐」というより「オンナ」のイメージを抱いていたのだけれど
一幕冒頭のあどけない少女時代も違和感なく可愛らしかったし
皇室に入って生きるすべを模索し徐々に
自分の人生を「私だけに」ゆだねていく様をしっかり演じきっていて
ブラボーだった。

現役時代「ちえねね」という小さな枠の中でしか見ていなかったことを
深く後悔している。
卓越した身体表現と豊かな声のちえさん。
ねねちゃんだってこんなに素晴らしい演技をする人だったんだ。
単に「コンビ萌え」の人ではなかったのだ。
(「パッショネイト宝塚!」での絡みつきもつれあうダンスは
18禁レベルだったよね。
お家デートで見ていたら即TV消して灯り消すよね。)
「ちえさんのお相手」を超えて
のぞ様とまあやちゃんみたいにぶつかり合って
火花を散らしてまぶしく光り輝くことだってできたのに。
ねねちゃん、ごめん。
あなたは素晴らしい舞台人です。

みりおちゃんが最後に肩と背中の大きくあいたドレスで出てきて
あまりの華奢さに泣きたくなった。
この細こい身体でずっと男役さんをこなしてきたんだ...
トップスターの大きな重圧を一身に背負ってきたのが
こんなに小さな背中だったんだ...
抱きしめたい、と思ったらちゃんとのぞ様が抱きしめてくれていて。
愛だった!
のぞ様、ありがとう。
みりおちゃんを抱きしめるのはほっしゃんではなくてあなたです!

今回の配役でうれしかったのは
ルキーニのとしさん。
ルドルフのあっきー。
ちょい悪感を出しながらも軽妙に舞台を回すとしさん。
ロイヤル王子健在のあっきー。
お二人とも期待以上の熱演でした。

そしてそしてPちゃんのフランツ!
あたたかくて品の良い皇帝陛下。
Pちゃんのお人柄がにじみ出るような。
初代・高嶺ふぶきさんの厳格で高貴な皇帝陛下というより
北翔海莉さんの自分の立場と家族愛の間で葛藤する皇帝陛下寄りの役作りに感じました。
Pちゃんが皇帝であっきーが皇太子。
なんて上品な並びなのでしょう。
うっとり。

あっきーを奪うのぞ様の場面も絵のように美しかったな。
欲を言えばその後の霊廟の場面ではフランツとシシィが
嘆きあうところからトートとシシィが対峙してほしかった。
息子を失う最大の悲しみを共に分かち合い
それでもすれ違う「夜のボート」への流れが
より物悲しさを際立たせるのではないかと思う。

ガラコンサートだから歌だけで物語が綴られていくのだけれど
全編歌で進行していくミュージカル作品だから違和感なく楽しめた。
欲を言えばバリバリのダンサーとしさんが踊るところは見たかったけど。
出演者数も限られているから一人一人が際立っていていて
大好きなれんたがあちこちで活躍していたし
(どこにいても絶対れんた見つけられる!)
天真みちるちゃんが健在なのも嬉しかった。
もっとも専科に近い若手と思っていたみちるちゃんが
退団したことに当時とてもおどろいたけれど
執筆やエンターテインメントで幅広く活躍してくれていて
うれしいです。

公演チケットは取れなくてもライブ配信があったし
公演そのものがなくてもライブ配信があって本当に良かった。

素晴らしい舞台をありがとう。

どこまでも追いかけていこう、のぞ様を!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?