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D-DAYの後、喪失感と受け取ったもの

ユンギの兵役履行が決まった。
 
D-DAY FINALの次の日だった。

初めての推しの兵役という2度とない経験なので、
あの日のメモと、
今の気持ちを書き残しておこうと思う。



14時、フォロワーさんと安国でお茶をしていた。

安国はアートとかハンドメイドとか、古書とか古美術とかがある感じの文化を感じさせる地域で、
素敵な古民家カフェではじめてのオミジャを飲んでいた。

35度近くなければ色々散策したいんだけどなあなんて話しながら、
目の前のサムジキルという商業施設で買い物をする予定なんだーと、
前日同じくFINALコンサートに参加していたフォロワーさんとお話ししていた。

彼女も世界複数地域行っていたから、
あの時はこうだったね、あのチケッティングがさあ、
ユンギカッコよかったね、たくさんもらってしまったね、
でもこれで終わるの本当に寂しいね、
昨日泣きすぎた、あんな経験一生に一度だ、という
話をしていると、

彼女がTwitterを見て「あっ」と言った。

私もすぐにTwitterを開くとこのお知らせが目に飛び込んできた。

指先がすごい速さで冷えた。

「ああ、すぐだったね」と声に出すのが精一杯だった。

昨日あんなに爆発するような愛の渡し合いをして、
あんなに一緒にわけがわからなくなるほど遊んで、
あんなに、ずっと叫んで、歌って、
いつ倒れてもおかしくないような、リミッターなんてどこかに置き去りにしたような時間を過ごして、

あんなに、あんなに、あんなに。


ああ、終わったんだ。


「2025年に会いましょう」

彼の笑顔が浮かんだ。
ちょっとだけ目を潤ませた、あの笑顔。

大切な人。


こんな気持ちになるのか。

寂しい。
あんなにずっと一緒にいてくれたから。
ありとあらゆる方法で一緒にいてくれたから。

長い長いコロナの間も一緒にいてくれて、
コンサートがやりたいと言い続けてくれて、
会いに行きたいと言い続けてくれて、
実際にやってくれて、
しかも世界中に行ってくれて、
体調を崩したら正直に言ってくれて、
チケットが取れなかったと言えば追加公演をしてくれて、
メンバーに会いたいと言えば会わせてくれて、
そんな場を作ってくれて、
28回も、一緒に遊んで、叫んで、泣いて、
かっこいい姿も可愛い姿もあまさず、みんな、みんな

たくさんの写真、グッズ、ウィバスライブ、シュチタ、
命をかけて作ったアルバム、
両手に余る程残してくれているのに

寂しい。
寂しい。
寂しい。

あの優しくてかわいくて思慮深くて音楽が好きでたまらない人が、
2年近くも兵役に行かなければいけないなんて。

その時がくるまでわからなかった。
なんだこの理不尽は。

他の国の制度は私たちには実感を持って理解することはできないけど。
でも。

悲しいと、あの人には合わなすぎると言うくらいはいいだろう。


D-DAYロスと兵役のお知らせのダブルパンチは想像以上にしんどかった。

当日は全然涙が出なかったけど、
翌日、改めてDear my friendの和訳を見ていたら込み上げてきた。

ああ、ダメだ。
寂しい。

4月から一緒に過ごした時間。
2月から準備してくれていた色々。
一緒に駆け回った都市たち。

行くのが簡単だった場所なんて一つもなかった。
一緒にいられて幸せだった。

「次はここだね」で溢れるライムライン、
流れ続ける各地の最高にかっこいいあなた。
あんなにカリスマ全開で攻撃的なラップなのにどこまでも優しいあなた。
一生懸命英語と日本語で話してくれたあの時間。


本国では全部韓国語だったのであなたの言葉が理解できなくて悔しかった。
韓国語を頑張らなきゃーと思わせてくれたから8月にはハングルを読めるようにして行った。

コンサートに行きたくて、自分の力で行きたくて、
決めたら整って動き始めた仕事。
数々の奇跡。
変わっていった内面。

全部の中心にあなたがいた。

今そこを触るとスカッと空をかするような感覚。


あと10分で出ようと思っていたホテルの部屋で泣いた。
せっかくメイクしたのに全部やり直した。

終わったんだ。

「またね」はまだずいぶん先なんだ。




それから毎朝起きるたびにあの喪失感と共に目を覚ます。
ああ、もうツアーはないんだ。
もうすぐ彼は行ってしまうんだ。

曲を聞いてもSNSを見ても、
カメラロールも私の書いた文字すら彼の余韻だらけ。
しんどかったから昨日からもうスマホを開くのを最低限にした。

今度は彼は私にSNS離れという次のステージを与えてくれるのかもしれない。




8月9日の夜、ここまで書いていて、
コンサートで撮った写真を最後にシェアしようかなと画像編集していたら、

Instagramに彼がこれをアップしてくれた。

「너무 즐거웠고 행복했습니다 감사하고 사랑합니다」
「とても楽しくて幸せだった ありがとう、愛してるよ」


なんていうタイミングだとまた泣けてしまった。

なんであなたはいつもそうなの。
なんでいつも一番欲しいタイミングで、一番欲しい言葉をくれるの。





彼の薬指にドットのタトゥーが入ったっぽいという情報を目にして、
やっぱりあれタトゥーだったのかあと思うと共に浮かんだのが、

彼は今回で本当にAgustDにピリオドを打てたのだということ。 
そして、私の中の暗い人格にも終止符を打つ経験をさせてくれたな、ということ。

1人で海外旅行なんて10年は無理だと思っていたけど行けた。
困った時に私なんて誰も助けてくれないと思っていたけど助けてくれた人がたくさんいた。
自力でまとまったお金を稼ぐなんて何年か先だと思っていたけどできた。
36歳でもう容姿も下り坂かなあなんて思っていたけど、彼に会うたび私はどんどん綺麗になる。
チケッティングなんて私には無理だと思っていたけどとれた。
韓国語わかんないようと思っていたけど今はハングルも読めるし注文もできる。

「自分で動けばどんなに無理に見えても結果はついてくる」ことを教えてくれた。



AgustDの終わりに私の中の暗い自分を解放してくれた。

解禁。進んでいく道が辛くても、Snoozeで寄り添ってくれる。



全てを残して彼は一旦離れるけど、
その間に私も努力を重ねてできることを増やしていかなければいけない。


次に会った時に
「あなたのおかげであれもこれもできるようになったよ」と伝えたいから。



人生は続く。

私たちの決めたものだけで人生は続く。

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