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#4 イロイロなコト③

ごはんカフェ「イロイロ」に繋がるまでのお話

最後は「やってみるコト」です

子供たちが幼稚園に通った5、6年の間、作りまくって食べまくった私達に、お店とかしないの?と声をかけてくれる友達が少しずつ増えてくると、不思議と自分たちの中にも「お店か…」みたいな小さな可能性が生まれ、自然と周りにも「何かいい物件あったら教えてね」と返事をするようになっていました。
そんなある日、いつものように友達何人かで持ち寄りご飯をしていると、いつものように「お店とかしないの?」の流れになり、いつものように「いいとこあったら教えて」とたまちゃんが応えると「うちでしてくれない?」という返事が。
聞くと、その子もいつか自宅で飲食店をしたいと思い、今の家を建てる時に営業許可が取れる造りにしたのだとか。ただ、その子にはまだよちよち歩きの子供がいて、さらに3歳と5歳の幼稚園児も2人。まだまだ1人では開業なんてとてもだけれど、私達が一緒ならできると思う、とのこと。
パッと想像しても、さして思い当たる不安がなかったので、私達はその場で「じゃあやろう」と決断し、その後数ヶ月で細々とした準備を進め、オープンに至ったのです。
そうして頭で思い描いていた事や思い付いたことを3人で持ち寄り、色んなことを試しながら、挑戦しながら経験を積ませてもらっていたのですが、そのオーナーの子の諸事情により、僅か1年でそのお店は閉じることに。
ただ、ここで私達の「もったいない精神」が根をはり、せっかくの経験と学習を無駄にしないため、2人で店舗を持たないイベント出店を続けていると、同時期になんと私の離婚が決まり、引っ越しを考える流れに。それならお店ができそうな、倉庫とか付いてるお家はないかな?と、田舎の方に注目していると、みかのはらにこんな面白い物件あるよーという情報が。見に行くと、リフォーム無しですぐ住める古民家に理想的な大きさの農具庫がついた物件。これは!と思いながらも、たまちゃんが通うには少し遠い気がしてすぐには決められず、しばらく寝かせて他のお家も見たりしていたのですが、ある日「すみません、前に見てくれていたお家なのですが、もうここに決めますと言っているお客様がいまして、もし鎌倉さんが決めないのであればそちらのお客様が契約されると思います。」とのこと。
以前たまちゃんに確認したところ、通える距離だと言ってくれていたので、もう一度家を見て引っかかる事がなければ契約します、と返事をし、すぐにみかのはらへ。
たまちゃんは物件を見ていないけれど、さよちゃんが住む所だからさよちゃんが決めたら良いと言っていたので、農具庫をお店にするかどうかはともかくこのお家に住みたいかどうかで決めることに。
改めて家をじっくり見ていると「やっぱりアリだな。農具庫もお店にできる」という気がしてきて、その場で引っ越しを決断。
後日改めてたまちゃんを呼んで「ここ、お店にしよか」と言って農具庫を見せると「こ、ここぉっっ!!??」とひっくり返っていました。
だって農具庫の中は何年あったのか分からないくらいのモノがびっっっちり詰まっていて、窓もドアもボロボロ。床もキシキシ。2階建ての低い天井で薄暗い室内ですから。
ドン引きのたまちゃんを横目に友達の大工さんを呼んで「ここ、お店にしようと思うのだけど、どうかな」と恐る恐る聞くと「えー、雰囲気ええやん、面白いやん」という返事。
その一言が、大工さんのセンスを全面的に信頼している私達の大きな後押しとなり、友達に来てもらって農具庫大掃除大作戦を決行。
物を全て出し、トラックを何往復も走らせて捨てに行き、床を剥がし、板を張り付け、壁を壊し、屋根を塗り、カウンターを作り、ひたすら作業着でホコリまみれのペンキまみれになりながらイロイロを形にしていったのです。

今思うと、あの時他の誰かがこの家を契約したいと言ってこなかったら、急いで決めることはしなかったかもしれない。
そしたら改めてたまちゃんも一緒に農具庫を見たかもしれない。見たらお店にするのは渋ったかもしれない。
もっと言えば離婚がなければ引っ越しも、さらに言えば2人で活動するきっかけも、とかとか‥‥色んな流れがちゃんとここに行き着くようにできている気がして、振り返った時にすごいなぁと思わずにいられないのです。
何よりも、幼稚園の先輩保護者のやっていることを見て、取り入れてアウトプットした日々がなければここには繋がっていなかったかもしれない。とも、思うのです。
だって初めにも書きましたが、お料理することに興味もなく、飲食で開業なんて想像もしていない未来でしたから。

食べること、作ることの大切さを知っていたから食べたり作ったりしていたのではなく
食べたり作ったりしていく中で、その大切さを知っていったのです。

だから、何でもやってみたらいいのだと思います。
そこからもっと深い何かを知ることもあるし、自分に合わないことを知ることもある。
どちらもとても大切な、大きな前進だと思います。

やってみることに失敗はありません。

イロイロオープンして3年目
まだまだこれからですが、イロイロを愛して下さるお客さまに出会い、沢山の素敵な店主さん達と繋がり、今私達が持っている確信はこれだと思います。

長くなりましたが、イロイロに至るまでのイロイロなコト、ここまで記せて良かったです。
読んで頂き、ありがとうございました。

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