パッキングリスト

昔は荷物を最小にすることに熱意を傾けていた。ガールスカウトに長年所属していたので荷物は1gでも軽量化することを躾けられているし、いっぱしにバックパッカー気取りだった過去もある。ガイドブックも行きそうな場所の分だけに分冊して持参し、日数がさらに少なければコピーして文庫サイズの手帳にはりつけた(それも今やスマホあれば現地でSIMを買えば済む)。
それに大概町にいたので、足りないものは買い足せば済んだ。

が、寄る年波には勝てず年々荷物が増える。もう背負って海外なんて無理だからキャスターのついたバックになった。それでもトランクを持たないのは最後の意地だ。そうなると荷物はぐっと増える。
常備薬や衛生用品、化粧品、歯ブラシに入浴剤に洗濯洗剤、日焼け止等の飲んだり肌につけたりするものは日本から慣れたものを持っていく。
特に海外の旅先はやたらと寒いのでライトダウンがあると飛行機やホテルでも便利。ショールかカーデなどのはおりものは必須。
昔は海外で日傘さすのはいかにも旅行者にみえて嫌だったけれど、アジアでかった裏が銀色の晴雨兼用傘を普通にさす。少し重いのだけど遮光率が高くて最高だ。
軽く散策する時用に(歩きやすい靴以外に)ビーサンか軽いサンダルもあるといい。ホテルの室内履きにもなるし。
行動鞄が大きめなら、すこしおしゃれなクラッチをバックインバックがわりにしておくと、夜ちょっとしたレストランにいくときに困らない。エコバックも何かと便利。飛行機対策にノイズキャンセリングイヤホンとipod。夜お部屋でのむ用にティーバッグ。何かあったときのためのダクトテープを小分けしたもの。1週間以上の旅行なら洗濯紐。
それとカメラ(それだって今やスマホで十分)…etc etc

でもまぁ
海外医療保険と、あとはカードとパスポート、エアチケットやホテルの予約番号さえあればなんとでも。
そう思えばぐっと気楽になるので、パッキングは途中で飽きたら投げ出して、そこらにあるものだけをつめて兎に角空港に向かえばいい。
行った先で、必要なものをスーパーで地元の人のフリをして探すのはとても楽しい。水とシャンプーが髪にあわなくてごわごわになっても旅先なら思い出になる。

もし余裕があるなら、鞄にその土地が舞台の小説を一冊もって出かける。行くまでの飛行機や現地でよむと、街歩きがすこし楽しい。が、持っていくだけで一頁もよまないこともしばしば。
それでも日記だけはつける。みたもの行った場所つかった値段、本日の両替レート。フリーペーパーや現地の地図なんかはあったら積極的にもらう。
お店のショップカードやデザインが素敵な雑誌を持ち帰るのは半分仕事。

いつの旅だってそれは次の旅のための下調べ。それくらいの気持ちならやり残したことも行けなかった店も、次への宿題として楽しめる。
旅は余暇だ。それくらいで丁度いい。

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