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紙のこと。〜流れ目やNTラシャとタントの違いなど〜

イベントに出ていると、どういう紙を使っているのかよく聞かれます。
説明が難しいので「画材店で売っている、少し厚手の色紙」と回答するのですが、ここでは詳しく説明してみようと思います。

ペーパークイリングに使用される紙の種類

私はペーパークイリングというペーパークラフトの技術を応用してアクセサリーを制作しています。ペーパークイリングでは基本的に3mm幅の紙を巻いてシェイプを作っていきます。

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3mm幅のクイリングペーパーというものが市販されているのですが、私はカラーバリエーションを増やしたかったのと、作品によって幅を変えたかったのでA4の紙を購入して裁断しています。

クイリングに向いているとされる紙はNTラシャ・タント・上質紙・レザックなどで、私はNTラシャとタントをメインで使用しています。クイリングペーパーを販売しているメーカーではラシャを使用しているようです。
ラシャは本当にベーシックな色紙ですが、タントは表面にエンボス加工がされています。
私は他にも銀色のフレークが入った新星物語、キラキラ輝くラメ加工がされているキュリアスなども使用しています。
紙を選定する段階では他にも色々と試しましが、結局NTラシャとタントが使いやすいと感じています。

厚みと流れ目について

紙には"厚み"と"流れ目"というものがあります。
厚みはkgで表記され、原紙サイズで1,000枚積んだときの重さです。(名刺印刷でも紙を選ぶ時に厚みを指定しますね。)
私は100kgの厚みのものを使用しています。
流れ目は紙に対して繊維がどのように流れているかによってタテ目(T目)とヨコ目(Y目)の2種類があります。流れ目については竹尾のサイトがとても分かりやすいので貼っておきます。

私は現在手元に164色の紙を持っていますが、当然これだけの色を集めるのは大変なことです。最初は画材店で扱っているNTラシャとタントを全色買い、更にネットでも購入しました。
楽天の紙ショップ青葉というところは豊富な品揃えで、カットサイズも選べるので利用しています。

https://www.rakuten.co.jp/paper-gazaihanbai/

ネットショップでも実店舗でも、カットサイズを選べる場合は「A4なら11枚単位でしか買えない」という制限がかかることが多いと思います。これは原紙サイズをA4にカットすると11枚分できるということで、要は原紙1枚分からの注文となりますよ、ということです。

画材店で紙を買っているだけだと意識しないと思うのですが、ネットショップで購入する場合、先ほどの厚みと流れ目を意識することになります。
竹尾のサイトの説明にある通り、流れ目を意識しないと折ったときに折り目が割れてしまいます。A4の紙を縦長に裁断する場合はヨコ目にしないと、巻いた時に割れやすくなってしまいます。
紙をしごいてカーブさせてから使えばある程度割れを防ぐことはできるのですが、それでも割れてしまうことはよくあります。
タントはエンボス加工がされているおかげでタテ目でも割れにくいのですが、NTラシャは本当にタテ目とヨコ目の違いが顕著に出ます。ヨコ目の場合はとても柔らかくてふにゃっとしているのですが、タテ目の場合はパリッとハリがあります。

流れ目による仕上がりの違い

同じ強さで巻いたとしても、ヨコ目は広がりやすくて潰した時に柔らかく、タテ目は広がりにくくて潰した時は固いです。
個人的にはシェイプの仕上がりはタテ目の方が好きなんです。アクセサリーにする場合は通常のペーパークイリングとは違って強度が必要なので、紙の渦の間隔を狭くしたいんです。
また、通常のペーパークイリングでは花や果物といったものを作りますが、私のアクセサリーはそういう決まった形があるわけではなく、紙の曲線を生かしたデザインが多いです。

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例えばこのデザインですが、これをヨコ目の紙で作ろうと思うと柔らかくてカーブを維持してくれないんです。広がってしまうんですよね。
なのでヨコ目の紙しかない場合は、カーブを維持させるためにボンドで固定するなどの工夫が必要になってきます。

そういったこともあり、タテ目でも割れにくい、タントのタテ目が個人的には一番好きです。

紙の流れ目は持った時の曲がり方でわかるのですが、画材店で買う時に1枚1枚持って確認するというのはできないと思います。紙は指紋とかつきやすいので、持ったものを戻すのは極力避けたいですしね。
ということで、結局はその紙の特性を理解した上で工夫できるようにしておかなければいけないですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪

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