見出し画像

#生きられた庭 初日に行ってきた

京都府立植物園を広々使って行われている現代美術展示『生きられた庭』に行ってきた。今日から来週日曜まで。1周50分のツアー、12:00の回に参加した。

ガイドツアーは北大路駅側の正門からスタートして、順次各作品を歩いて周り、逆サイドの北山門付近の作品を見て解散という流れ。かなり歩くので歩きやすい靴で。この回の参加者は15人ぐらいいたけど、キュレーターの高木遊さんは小さいマイクを使ってくれたので、8歳と最後尾についても声は聞き取れた。

大芝生地にある作品の解説をする高木さん

昨年7月の台風で、植物園の多くの木々が倒れたり傾いたりしていた。園内では「被害を受けたまま」の状態で残してあるエリアも多かったけれど、切り株にしたり、整えて再出発したりという取り組みも多かった。

複数の作品が、この文脈に沿い、植物の「死」と、それに呼応する「生」をコンセプトに据えていたと思う。

メインの目的だった立石従寛さんのサウンドインスタレーション《Abiotope》3点の1つ。マジックミラーシートの中で反響する「○月○日、降水量なし、最大瞬間風速○メートル…」という音声がとても不気味で存在感のある作品だった。「音とAI」による彼の作品は園内3箇所にある。各作品のねらいなどは、解説を聞かないとなかなか分からない(園内にテキストはない)ので、まずはガイドツアーに従ってぐるっと1周して、そのあと気に入った作品に戻ってくる流れがおすすめ。

(パンフレットのQRコード潰れて読み取れなかったけどどこかでテキスト読めるんですかね…)

シンプルに綺麗だなーと思ったのは、多田恋一朗さんの作品。切り株に据え付けられたオブジェは「キャンバス(画布)を丸めて潰したもの」で、植生の死と絵画の死をかけているのだとか。春の(もう初夏?)日差しとにょきにょき伸びるひこばえに、鮮やかなキャンバスの発色が映える。

子どもにも分かる大型作品は野村仁さんの《林間のTardiology》、このまま重力ほか諸々で経時変化していくそう。

ガイドツアーに従うことで、普段あまり意識的に通らない北側の小道をくまなく歩ける。多様な植生が集中する「植物生態園」エリアなど、植物園自体の魅力再発見につながる、良い機会だった。

お昼に立ち寄った北山の蕎麦屋では、早速酷評する声も聞こえてきた(笑)。絵画や彫刻などの「わかりやすい」ファインアートに比べて、こうした「現代アート」というのはコンセプト表現が先行して難しいので好き嫌いはあると思う。とはいえ、子どもにもピンとくるものはあるかもしれない。

会期が短いので、気になる方は来週末に。温室も素敵なのでついでにぜひ。

🍻