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安易に了解しない(インタビューのスタンスと、対話の中での信頼構築)

初対面のインタビューは、窓を少しずつ開けてもらうような探り合いから始まる。

きょう、2時間にわたる役員インタビュー(コミュニケーション戦略の話)のなかで、「一枚奥の扉を開けてもらえた」と感じる瞬間が2回あった。

一回目は、こちらが「それって例えば~~ということですか?」と聞き返したあと、端折られる情報が増え、一気に話の解像度/具体度が上がった、たぶん開始15分ごろ。「うちのことをよくご存知のようなので…」と言ってもらえたので、先方のつかうことばで、正確に解釈できたのだと思う。

二回目は、こちらが「でも、さっき仰った〇〇って本当にそうなんですか?」と投げかけて、「ほんというとね、△△なんですよ」と言ってもらえたとき。これは、事前の打合せで「△△」のほうが方針に近いという仮説を持っていたから、拾えた(なんかめちゃくちゃ抽象的な文章になってますが…)。

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どちらの瞬間にも共通する、自分がインタビューのとき守るべき原則は「安易に了解しない」というスタンス。相手の応答を正確に理解しようとする姿勢。そのためには、ゆらぎのある応答を逃さずに、問いをもつことが必要だ。

もちろん、十分な予習(それも即興で言語化できるくらい、腹落ちした予習)は欠かせない。けれど、中途半端な予備知識にもとづく「自分の描けている解釈にはめこむ聞き方」は、違う。

初対面のインタビューはめちゃくちゃ難しい。最初は必ず「信頼関係がない」ところからのスタートだ。でも、対話の中で少しずつ信頼関係を積み重ねることは確実にできる。そのためには、ひとつひとつの応答に集中すること。

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わたしがインタビューの基本姿勢を西村佳哲さんに習ったのは、もう9年も前になる。きょう少し、その時のノートを読み返した。

「素うどん」の話も、また別のnoteで。

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