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提示されないビジョンを模索する方法

Nue松倉さんの昨日のnote、「プロジェクトはビジョンから順に考えないと迷子になる」というのは、本当にそう。

そして、今日も新しいWebプロジェクトがひとつ始まったのだけれど、案の定というか、明確なビジョンがすんなり提示されない。自分たちの事業や組織のことを「わかりやすく紹介したい」という理由でプロジェクトが承認されていても、その先=わかりやすいことによって、誰が・どんな行動をしてくれたらオッケーなのかが言語化されていない。こういう状況は、数値目標も持ってる一般企業のマーケ・営業企画系部門では少ないけど、そうじゃない場合、よくある。

で、
ビジョンが提示されないなーと思いながら作り始めると確実に迷子になるので、諦めずにビジョンの模索を続けないといけない。

このプロジェクトでやるつもりの活動はみっつある。

① メンバーと「改善したい課題、やりたいこと」のブレーンストーミングをし、その積み上げの中から、『それを変えたいってことは○○っていうビジョンを目指してるんじゃないですか』と当てに行く、「ボトムアップ類推法(仮称)」

② コンセプトの叩かれ台を持って経営陣に直撃インタビューをかけ、語ってもらう「トップダウン聞き取り法(仮称)」。本来、相当額の予算を投下するプロジェクトでは、お金を出す人=「スポンサー」からビジネスゴールをインプットしてもらうのがPMの基本なんだけど、色々工夫して聞かないと出てこないことや、担当チームが「上に聞きにくい」関係性であることも多い。でも、経営者の視点でビジョンがないわけがないので(ないこともあるのかもしれないが…)。

③ 組織のルーツ・沿革・創立理念などに立ち返り、団体の存在意義から言語化してみる「スピリッツ継承法(仮称)」。これに現時点の事業の状況や、認識されている課題を重ねることで、「事業の価値はこれだっ」と言いに行く。

このアプローチは、京都市観光協会のPMが試みたやり方だ。会員企業へのインタビューとかも含めみっちりKJ法をやっていて、ごっつい。

組織の中にいる人が、一定の「やらなきゃいけない仕事」の枠を越えて大きなビジョンを語れないという現象は、まあ、批判しても詮無い話。ただ、「言語化してないだけで実は(ビジョンを)持ってる」「自分では言語化できないが、外から投げかけてもらうと合っているかはわかる」「自分は持っていないが、違う誰かが(ビジョンを)持ってる」のどれかひとつぐらいは、『迷子にならない道』があるはずだ。

その道を探すには、時間をかけて聴き、繰り返し「代弁」を試し、本当に納得されるまで当て続けるしかない。

根気がいる仕事。だけどきっと、道は見えるはず。

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