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いい現場

独立系ボーカリスト・ぷにぷに電機(以下、ぷに電)のPodcast最新エピソードが面白かったのでシェア。

この回は、2023年8月リリースの新曲「霹靂」のメイキングについて語る内容です。ニューヨークスタインウェイを備えた専門スタジオで、ピアニスト西野恵未さんを迎えたレコーディングの話が中心。

このレコーディングの話がとても生き生きと描写されていて。

ほぼほぼピアノが完璧なんですよ。最初の「じゃあちょっとテストがてら一回回してみますか!」とかって、頭からお尻までバーッとピアノ弾いてもらった時に、もう全員が「……今日は早く帰れそうだな~」って(笑)

編曲を手がけたESME MORIさん、レコーディングエンジニアの佐藤慎太郎さん、そして「最高意思決定者」として参加するボーカルぷに電。一流のクリエイターしかいない場で、全員がプロであるがゆえに、セッションひとつひとつが理想的な出来栄えで積み重ねられていく。時間を追うごとに、新しいものがどんどん生み出されていく。声だけのトークなのに、エピソードタイトルにもある「いい現場」の空気感が鮮やかに伝わってきて、その場にいる彼らの感動を追体験できるよう。

風通しがよくて、ほがらかで、皆集中していて。

いい現場をつくるには?

プロにオファーすること。自身がプロであること。自身のパートで最高のものを提示し、「ほしいもの」を明示すること。

このレコーディング空間のよさは、ビジネスサイドの人間(いわゆる「スーツ」)がいないからこその、純クリエイター同士でつくる高密度な/アーティスト自らが創り出す手触り感のある小ささの「いい現場」というニュアンスだった。

一方、どちらかというとビジネスサイドに属する自分としては、「とはいえ、プロデュース・ディレクションのプロだっているわけで、そういう人種は違った意味合いで『いい現場』を意図して作りあげる力を持っていたりするよな」とか考えたりする。

とはいえ、ひとつの創作の現場に、よいものを生み出すメンバーの一人として立つ以上、創造力を研ぎ澄まして場にいることはどうしたって必要で、その覚悟、努力があってはじめて「いい現場」の感動に立ち会うことができるだろう。

このセッションを聴いて、私は「クリエイティブ」界隈に何らか関わる人間として、あるいは何らかの「プロ」の一人として、これからどれだけいい現場を踏んでいけるか、楽しみが増した。

※この曲は、東京・国立にあるKUNITACHI BREWERYのクラフトビール「霹靂」とのコラボレーション作品。醸造家・斯波さんの商品詳細が、ビールの話じゃなくて音楽偏愛語りに終始している(笑)ことと、こんなにも意思とコンセプトでもってホップと酵母が選択されるという、ビールづくりの世界に驚きます。

ぷにぷに電機の直近のライブ予定は、ビルボード横浜・11/30。関東圏の人よかったら。

Photo by Darius on Unsplash

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