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おまえは忍術バトルRPG「シノビガミ」でバンデラスへとなりあがる

※本記事はコラムニスト・逆噴射総一郎先生の文体(逆噴射構文)を模倣して執筆した記事です

 よくきたな。おれはベテラン・シノビガミ・プレーヤーの手によってシノビガミにまんまとハマったナードだ。たまに卓(セッション)に参加してはバンデラスたちにボコボコにされ、ベイプをあおるこしぬけどもから冷笑の目線を投げかけられ、泣きながら卓の感想を書き、素晴らしいプレイヤーに琴線(ドリトス100こ分に相当する)をさしあげる。そういう日々をおくっている。

 今のジャパンはなかなかどうしてひどい状況下にある。いまだしつこいコロナ・ウィルスのくそやろうを筆頭に、なんか、モニャっとしたものにともなうさまざまな負荷に耐えきれず干からびるもの、ギラギラとした太陽のひかりを外に出られないせいで浴びられることなくやむもの、光を浴びていきいきとしだした植物のまき散らす粉に泣かされるもの、そういったことがある。そしてそいつらは悲しいことに、犬にもかえりみられることがない。タンブル・ウィード(ころがるくさ)のようになりたくないと思ったものは新しいことに手を出す。そして3割ぐらいのやつがTRPGに手をだし、さらに選ばれたもさはシノビガミにたどり着く。

 おれはここにたどり着いたもさであるお前のために記事をかく。シノビガミを通してバンデラスになりたいと思う、卵から生まれたてのヒヨコのようなおまえのためだ。「初心者!? とりあえず【影法師】【クリティカルヒット(断ち/射程低下)】でいいよォ!(裏声)」というタルサ・ドゥームどもは読むのをやめろ。教導ならいいとかそういう話でもない。頑健頑健頑健もやめろ。

 この長ったらしいナード向けの前置きに耐えきってこの記事をよんでいるおまえは心持ちではすでに真の男だろうが、それでも暴力うずまく卓(ルビ:メキシコ)に放り込まれて容赦なく殴られようものならあっというまに亡骸になる。そんな数カ月まえの俺と同じように真の男になる過程をたどろうとしているおまえのために、今日はシノビガミのはじめかたを教える。

 ちなみにマジで「はじめかた」(より正確に言うと筆者が始めたての時にこういうの欲しかったな~というやつ)の部分だけなので、キャラシーの作り方を知りたいとかいうひとは「シノビガミ キャラシ 作り方」と検索窓にぶちこむといい。真の男あるいはシノビらがていねいな動画やらテキストをかいている。

0.シノビガミにおびえない

 もし予習として(えらい)ニコニコやユートゥーブで「シノビガミ」としらべればマンチキンたちがニンポーで大暴れしエネミーがひからびたサボテンのように扱われている動画が出てくるだろう(運がよければ親切な先人によるニンポー解説こうざにたどり着ける)。それを見て「わあ、シノビガミのセッションって怖そうだなあ。近寄らんとこ」とおもうかもしれない。事実、シノビガミはシステムがPvP(プレイヤー・バーサス・プレイヤー、つまりはメキシコのリング)を想定しているため、そういったセッションがけっしてすくなくない。なんならメイン・ストリームだ。
 しかしながらシノビガミそのものが怖いものかといえばそうではない。真の男は戦闘ではチョーつよいニンポーをブンブン振りまわすが、それ以外では常に礼儀をわすれない。「長耳とか玲瓏誘導の一発屋っしょ!ww」といったような無礼なことをぬかすやつはダニー・トレホにすらいたらない、マッポのざこに殴られて死ぬ。悪いやつが淘汰されるのがシノビガミだ。あと長耳には魔笛もある。このnoteを書いているあいだに隠忍の流派ブックスがでたのですごいことになった。
 そもそもシノビガミは「忍術バトルRPG」というかっこいいタイトルをかかげ、現代にいきるニンジャのバトルができるシステムではあるが、しかし一方でたとえばブレーメンという流派(グループ)のトップがカエルだったり公式リプレイで全員同じ顔全員同じ名前みたいなCHAOS(混沌)をやっているので、かなり寛容なシステムといえる。
 そして、メイン・ストリームだからといってもそういうセッションだけではない。シノビガミには「協力型」というセッション形式が存在する。これはプレイヤーたちが手を取りあってタルサ・ドゥーム(シノビガミではこれを「妖魔」と呼ぶことが多い)に立ち向かうものであり、PvPは(よっぽど変なやつがまざらない限り)発生しない。「仲良しこよしなんてのはこしぬけのやるものだ」という輩もいるかもしれないが、これはこれで面白く、またシノビガミの面白さがそこなわれることはいっさいない。ゲムマスターは4人とかそのぐらいの人数を相手どるいじょう本気をだして相対してくれる。PvPがにがてなやつは協力型をやるのも手だ。協力型だからといって、シノビガミの面白さがそこなわれるということはない。ただ面白さの側面がちがうだけである。サイコロとおなじだ。手に取るやつにたいして常にちがう側面を見せてくれる。なに、赤い太陽がつねに2つ並んでいるだと? しらん。グラサイでも使え グラサイなどに頼るのはこしぬけどものやることなので(なにより実卓でやると冗談じゃなく出禁をくらう)、ダイスをテキーラに突っ込んだりお祓いを受けたりするのが効果的とされている。

1.基本ルールブックを買う

 まずはルールブックを買え。アマンゾゾでもイエローサブマリン(TRPGのものがいっぱい売っている夢のようなみせ)でも店頭でもどこでもいいから入手しろ。
 ここで「うわあ『シノビガミ怪』だの『忍秘伝』だの『プロレス忍法帖』だの色々あるぞ! どれから買えばいいんだ」となったやつ。あんしんしろ。とりあえず「シノビガミ 基本ルールブック"""改訂版"""」というやつをカートにブチ込め。それでシノビガミは万事かいけつする。

「エェ~『改訂版』ってついてないのはもってるけど買い直さないといけないんすか」というやつは安心しろ。冒険企画局(あくのそしき)がインターネット上に改訂にあたってのデータ変更部分を全部のせている。

 ただしはっきり言っていちいちルルブとページを行き来するのはふべん極まりないので改訂版を買うのがいちばん手っ取り早い。

 もし金銭面によゆうがあるなら「忍秘伝・改」「正忍記・認」というやつもセットでこう入するといい。この二冊にはいろいろとニンポーやシナリオがついかされていたりする上に、セッションにおいてもつかえることがおおい。初心者のうちにこれらをまとめて読もうとすると混乱するだろうが、こ
の二冊はわかってから読め。

 ちなみにプロフェッショナルにもなると流派ブックスやスタトーブックスをたくみにあやつるようになるが、シノビガミの新入りであるおまえはそんな高望みをしてはならない。基本ルールブックを読み込んでから手を出せ。
 本体価格3800円+税込は稼げない学生などにはきびしい価格設定かもしれないが、セッションをすればするほど元がとれるとおもえば安い買い物だ。ルールブックを買うということはただそれだけではなく、セッションへ参加するためのけんりや冒険企画局、そしておまえの未来への投資も意味する。覚えておけ。
 あとあまり声高に勧めるのもどうかとは思うが、ひっこしシーズンに乗じてブックオフ(本たちが輪廻転生をまつはかば)に乗り込むのもありだ。

2.基本ルールブックをとりあえず読む

 指示される前にとどいた・購入したルールブックの包装をはがしてなめるように読んでるやつは本好きかシノビガミのさいのうがある。「おい! この御斎学園というやつのサンプルキャラクターの構成はメチャクチャだ。何をかんがえている」と気付いたらもういうことはない。セッションに駆り出せ。しかしそんなやつは万に1人いればいいほうで、たいていは見たこともない単語に頭を抱えることだろう。それでいい。とりあえず、まったく意味が分からなくていいから、ルールブックを流し読みしろ。読んだか。えらい。その経験はおまえを大きくそだてる。あと2d6の目標値5の成功率が83.3パーセントといううそが書いてあるがあれも無視しろ。成功率は5割であり、2d6の期待値は4だ。

(注:2d6の期待値は7であり、目標値5が出る確率83.3%は紛れもなく真実です)

 ワールドセクションとかは読み物としてふつうに面白い。マギカロギア(冒険企画局が出しているチョーおもしろいTRPG)をやっているやつなんかは「アッ! この単語みたことあるぞ」という発見があるかも。

3.常識を捨てる

 さて、読んだな。ルールブックのないようをりかいしているならたいへんけっこう。そうでなくともよい。
 とりあえず以下の三つを頭にたたきこめ。ルールブックにも書いてあることだが、これはセッションになるとわすれがちなことだ。

・【秘密】は秘密ではない

 「アッ!? 秘密って書いてあるじゃないか! 日本語分かんねえのか!?」と思ったおまえ、常識をすてろ。ルールブックをよみなおせ。シノビガミのひみつはちり紙のごとく取られていく。まれに「この秘密を見たやつをころせ」とか「全員に知られてはならない」といったような秘密然とした秘密もあるが、だいたいは秘密ではないのだ。知られたからといっておまえがどうということは、大体ない。(御斎学園といういんしつな集団は「誰かの秘密を探す」ことが流儀だったりするが……)
 秘密は情報のひとつであり、データのひとつだ。だれが秘密をにぎっているか、だれの秘密をにぎっているか、それをもとにどのように動くか。そのような材料になるのが秘密だ。
 きんねんだとクトゥルーの呼び声TRPGなどで秘匿シナリオというのがはやりだが(あいにくおれはU・S・Aに明るくないためもんにゃらした認識で話す)、あれらと違って自ら秘密を明かす場がシナリオで用意されていたり小刻みな開示を想定はあんまりしない。わりと中盤までに大体バレる。

・強い構成をつくったとて、必ずしも勝てるというわけではない

 接近戦攻撃+頑健頑健頑健+流派忍法という文字を見ただけでなんとなく「ハハーンこのCS作ったやつふざけてやがんな?」と分かるものがたびたび初心者におすすめされるが、じつはこれは「メキシコが拳銃を持った輩が闊歩する危険なばしょなら防弾チョッキ重ね着しよう」ぐらいの考えのもとに生まれたものであり、それなりに勝率が高い構成だったりする(場合や相性にもよるが)。シノビガミがもっとうまいやつはきれいでつよい構成を組むが、それでも頑健をたくさんつんだだけの(もっといえば上の頑健を全部集団戦攻撃というのにしてもいい)プレイヤーに負けることだってある。
 初心者のうちは負けがこむこともあるが、負けるのはおまえの構成や頭、あるいは立ち回りが悪いのではない(ごくまれに悪いこともある)。しいて言えば、出目と運がわるかった。
 ちなみに上に書いた構成はあまりおすすめしない。拳銃相手に重ね着するより、こちらが拳銃を二丁持ったほうがだんぜんはやいからだ。

・シノビガミにおけるPvPは「キャラクター・バーサス・キャラクター」であって、「プレイヤー・バーサス・プレイヤー」ではない。

 これが一番大事。どんなにおまえたちのキャラクターがいがみあおうとも、セッションをひとたび終えれば卓を囲んだ仲間にもどる。キャラクターの感情をプレーヤーが持ち出してはならない。おまえはキャラクターシートをもっているにんげんだが、キャラクターではない。

 いじょう。これさえ覚えてしまえば、とりあえずシノビガミでなんか大事なサムシングはまもれる。これは常識ではないと思うかもしれないが、とりあえず大事なことなのだ。覚えておけ。

4.セッションにさんかする

 あとはセッションにさんかするだけだ。参加に当たっては以下を参考にしろ。

・Twitter
  #シノビガミ や #シノビガミ募集 などでけんさくをかけるといい。

・TRPGオンラインセッションSNS
 野良卓にさんかするにあたってツイッターアーのアカウントも何ももっていないおまえはこれに登録しておくといい。シノビガミのセッションの募集がたびたびかかっており、TRPGのノウハウなどもかずおおくころがっている。ちなみに管理人への支援ページもある。

・TRPGがすきー!(Misskey)
 6000人ちかいTRPGのプレーヤー(など)があつまるMisskeyのインスタンス。リオ・グランデあるいはコロラドのごとくタイムラインの濁流を眺めているだけでたのしい気分になる。なおMisskeyと聞くと「アッ知ってるぞ、与謝野晶子がレターパックの場所だ」と反応するやつもいるかもしれないがここではそうゆうのはタブーである。メキシコにもルールはそんざいし、それを守れないやつは・・・死ぬ。
 ちなみにここも管理人への支援ページがある。

 オンセンとかTRPGer.usはマジですごい人らが運営してくれている。ドリトスとはいわずとも支援をすると、真の男へ一歩近付けるだろう。

5.シノビガミをりかいする

 なんども繰り返すが、シノビガミは決しておそろしいゲームではない。おそろしい遊び方をするやつがいないとはいいきれないが、タルサ・ドゥームはどこにでもいるし、だいたいのプレーヤーはいいやつだし、そもそも冒険企画局じたいが楽しんでセッションしてほしいんだろうなと思う箇所がいっぱいある。

 【悪食】【肉風船】というゆうめいな害悪コンボは「複数人でふくろだたきにする」という明確かつシンプルな攻略ほうが確立されているし、【怪文】【開祖】【怪文】【流行禍】も【忍法研究】一つでチョチョイととめられる。ひとむかしまえに登場した【惟神】というやつもバンデラスの研究によって対策がなされ、【逢鏡】とかいう明らかに調整ミスみたいな忍法も、冒険企画局によって弱体化もされた(逢鏡はややナ=フがすぎるとゆう意見もある)。
 シノビガミにおける"絶対"はドリトスのうまさと出目だけであり、ほかは絶対ではない。どれだけ強いと言われる構成があろうとも、負けるときは負ける。相性だったり、出目だったり、立ち回りだったりによって。そして勝敗を喫する一番大きな要素は、構成の把握率だったりするのだ。
 「オレはこの忍法でのし上がってやるぜ」というやつはうぬぼれることなく、弱くともできるだけ自分で考えた堅実な構成をめざせ。その構成力はいつか実を結ぶ。そして、どうしても思いつかない時は他人にたよれ。なんなら構成を考えてもらうでもいい。自分で考えたというところにしばられてはならない。矛盾しているかもしれないが、「自分で考える力を付ける」「他者の構成方法を参考に強くなる」と考えろ。それが真の男ひいてはつよいシノビになる最短ルートだ。

6.さいごに

 この長ったらしいテキストを最後まで読んだおまえは、この太陽が身を焦がさんとするメキシコの荒野をひとり進むことができるつよさを手に入れただろう。しかしそのつよさはおまえ自身がもとから持っていたものであり、つまりおまえは生まれながらのバンデラスなのである。このノートは徹頭徹尾、おまえがバンデラスの、そしてシノビとしての素質を見つけるためのものだ。じりじりと昇る太陽はおまえを照らす祝福でもある。おまえをリングの上で待つ。


7.おまけ

 いきなりシノビガミをやろうといったところで、メキシコの荒野をすすむための目印が太陽や月や北極星だけだと心細いだろうから、いくつかべんりツールを挙げる。あとキャラシー作ったり勉強するのに参考になる動画とか。

ツール
CS登録サイト

 MASASHIGEというKING OF MEXICOみたいなひとが運営している場所のひとつ(なんと上で名前を出した忍秘伝にシナリオを載せている)。他のシステムやったことある人なら見覚えがあると思う。シノビガミのキャラシーはマジで9割5分ぐらいがここに保管されている。わかりにくい特技表やら目標値計算やら隠すのがめんどうな秘密だの奥義だのが全部管理できる。うれしい。

▮複数CS管理ツール

 みんなのCSを参照しながらセッションするときにすこぶる役立つ。タブを複数ひらいてヒイヒイいう必要が省けるということは、その分撃鉄を引くのに集中できるということだ。つよくなれる。

▮忍法検索システム

 KOFコラボデータまで網羅しているとかいうしんじられん検索システム。「あの縄って入ってる忍法!」みたいな時とか「この忍法なんページだっけ・・・」という時にパッとしらべられる。

▮忍法データベース

 検索システムが文字通り検索システムなら、こっちはやはり文字通りデータベース。間合いやコストも一目瞭然なうえ、装備忍法や流派などでもしぼり込める。

▮シノビガミ考察wiki

 ゲームにはかならず攻略ページがあり、シノビガミも例外ではない。そしてこのページはシノビガミをやりこんでいる連中も参考にしている(筆者調べ)
 「シノビガミで考察って何すんだよ」とおもうかもしれないが、これは忍法とか戦法とかいろいろ考えてるチョースゴイやつのサイトだ。こういうページを読むだけで先人がウンウン頭捻って考えてたことを秒で学習できるのでこうりつがよい。ちなみにゲームウィズとか神ナントカいうアフィリエットではないので安心できる。

▮シノビガミのリプレイ動画

 シノビガミのリプレイどうがはアホほどあるが一番有名なのはこれなんじゃないだろうか。シノビガミの駆け引き、戦闘、そのたCHAOSの全てを味わえる。なお当然ながらリプレーなどを見るとシナリオのバレをくらう。

▮30分で分かるシノビガミ

 説明するより見た方が早い。ハイ・スピード・ラーニング。

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