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freeeは「転記」のイノベーション

クラウド会計の本質

私がfreee株式会社に入社したのは2015年9月だ。そのあと起業するまでの2年間、freeeのセールスから導入支援まで広く関わった。

地方でのSaaS普及に課題を感じ、長野県で起業した。、現在は導入支援や全国各地でセミナーを行い、SaaSの啓蒙活動を行なっている。

クラウド会計の導入は「難しい」とよく言われる。

そして「うちの会社は特殊だから」「この業種には当てはまらない」といった諦めに至る人も多い。従来の会計ソフトといったい何が違う、こいつの正体はいったいなんなのだろうか?

結論からいうと、クラウド会計ソフトの正体は、「転記のイノベーション」だ。

「転記担当者」だった経理

経理における最大のミッションは「転記作業」にあった。

・経費の利用 > 現金出納帳への記録 > 会計ソフトへの入力
・振込作業 > 会計ソフトへの入力
・給与計算 > 会計ソフトへの入力
etc...

これらビジネス行為一つ一つを会計ソフトへ転記する。目的は一つ。
決算をするためであり、その決算は納税するために行う。

ゆえに従来の会計ソフトは「会計情報の終着地点」だ。お金の流れを記録したものが仕訳帳であり、決算書が最終成果物だ。

freeeの目的は経理の「転記作業」を無くすこと

ではfreeeの「転記のイノベーション」とはなんの事なのか。

freeeは逆転の会計ソフトだ。仕訳は原則打たない。

私もクライアントには、「freeeで仕訳を直接入力するときは、死ぬほど後悔しながら打ってください」と伝えている。それくらい、概念が今までのソフトと異なる。

請求書は発行するだけで、売掛金の仕訳が自動で作成される。あとは入金があればネットバンキング経由で入金仕訳をfreeeが作成してくれるのを、待つだけだ。

freeeは優秀な情報収集マンと思えば良い。ありとあらゆる手段を使って、お金の流れ、ビジネストランザクションを拾ってくる。

転記を前提とした旧態プロセスのままfreeeは使えない

ゆえに、会計freeeの導入は痛みを伴う。転記作業を前提とした今までのプロセスのまま導入ができないのだ。

デジタル化をしきれていなければ、freeeも情報収集のしようがない。

freeeがネットバンキング経由で自動消し込みを行うには当然だがfreeeに入金予定(売掛)が計上されている必要がある。計上のためには、freeeの請求機能を利用したり、連携できる請求ソフトを利用することも必要だ。

手数料を嫌がってネットバンキングを使わず「月に数件だから」ということでネットバンキング化を厭う人もいるが、それでは何も変わらない。トランザクションをfreeeに追跡させるためには、経営を徹底的にデジタル化せざるを得ない。

甘えを捨てて、デジタル化へ踏み出そう

業務自動化にウルトラCもまぐれもない。freeeは情報収集ソフトである。自動転記ソフトである。その特性を理解しビジネスプロセスそのものを変更するしかない。これがわかっていないと、不幸なfreeeユーザーが全国に増えていってしまう。

freeeに精通したメンバー活動が増えてきている今、正しいfreeeの理解と活用方針の普及の一翼を、私も担っていきたいと思う。

頂いたサポートを元に、様々なことにチャレンジしていきます!