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保険証が無いときはどうする?

患者さんが保険証をお持ちでなかった場合はどのように対応していますか?

クリニックによって様々かと思いますが、トラブルにならないのが一番ですよね。

パターン別に確認していきましょう。

①初診で保険証を持ってこなかった

こちらに関しては、一度も原本を確認していないので、保険診療で対応すること自体が難しいです。

・窓口支払いが10割になる

・同月内に保険証の原本を持参、10割の領収書と明細書を持参し返金

上記の対応で問題ないと思います。当院では返金が前提の場合は、支払いは現金のみとしています。(カード決済手数料が取られてしまいますからね笑)

なぜ同月内にするか、というとレセプトの請求が関係してくるからです。10日までにレセプト請求を行わないといけないため、翌月の提出は避けてもらい、以降はご自身で返戻手続きをしてもらうのが良いでしょう。

②前期高齢受給者証を持ってこなかった

70歳以上の方は、高齢受給者証をお持ちです。保険証とは別に発行される、ハガキサイズの受給者証をお持ちで2枚セットで対応、または保険証が高齢受給者証を兼ねていて1枚で対応できる場合があります。兼ねている場合は割合負担が保険証に掲載されているので、そちらで確認ができますが、別に発行されている、ハガキサイズの受給者証をお忘れになった場合は「負担割合」を確認することができません。そのため、当日のお会計は「3割負担」で徴収することになります。

・窓口支払いが3割になる

・同月内に保険証の原本を持参、3割の領収書と明細書を持参し返金

上記の対応で問題ないと思います。このとき、患者様が何らかの理由で(紛失した等)高齢受給者証が提示できない場合、レセプトコメントに「高齢受給者証を紛失され、原本確認できないため3割負担で徴収しました」と記載して対応しました。支払基金または国保連合会から問い合わせがきた記憶がありますが、事情を説明すれば大丈夫でしたよ。

③保険証を切り替えており、手元に原本がなく「資格証明書」を持参した場合

資格証明書をご覧になったことはありますか?保険証を切り替えており、保険証の代わりに提示されることが多いこの資格証明書、実は2通りあるのです。まず、会社が発行する「健康保険資格証明書」、そして日本年金機構が発行する「健康保険被保険者証明書交付申請書及び証明書」。前者は社名や代表取締役の名前が書類に記載されています。後者は、発行元に日本年金機構としっかり記載されています。

保険喪失の手続きの手順は、会社が手続きをして、日本年金機構に届けて、それが受理されて、保険証が発行されます。なので、会社が発行しているものを持参された場合、多くの届出がまだ日本年金機構に受理されていない状態なのです。

また、多くの医療機関が、会社が発行する「健康保険資格証明書」を保険証の代わりとして対応していると思いますが、正確性を求めるのであれば日本年金機構が発行する資格証明書のみで対応する、のが良いと私は、思っています。

しかし、近隣の医療機関ではこれで対応してくれたのに!など、ややトラブルになりそうな経験もあり、今は会社が発行している資格証明書を保険証の代わりとして受診できるようにしています。

・会社が発行している資格証明書を保険証として扱う

・日本年金機構が発行している資格証明書を保険証として扱う

上記の対応で問題ないと思います。ご提案した対応については、院長やその他上長に確認し、クリニック全体でルールを作っていくと良いでしょう。

まとめ

・保険証を忘れた場合は10割で現金払い、同月内に保険証の原本・領収書・明細書持参し返金対応

・前期高齢受給者証を忘れた場合は、3割で現金払い、同月内に保険証の原本・領収書・明細書持参し返金対応

・資格証明書は会社発行または日本年金機構発行、どちらも保険証として対応しても良い


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