星新一賞

SFなんて興味なかった。

小学3年生の時、母親が私に、ある薄い文庫を渡して言った。

「これ読んでみて。まだ難しいかもしれないけど」

初めて入るその世界はまるでミステリーの茂みのようだった。

たまにオチが理解できないショートショートもあったけれど、

母親の「まだ難しいかもしれないけど」という前置きに触発された私はなんとか食らいついた。

面白かった。

特に、人間関係を描くストーリーが面白かった。

たった数ページのうちで「N」とか「S」とか、適当な名前を付けられた登場人物に愛着を持たせ、その上で(多くの場合)オチで突き放す、

という星氏の筆力に魅了されて私は読み続けた。

気づかないうちに図書館に置いてあった星新一の文庫は読破していた。

小学1年生の妹に胸を張って進めたが、読書に興味のない、だが成績優秀の妹は

「ええ難しそう」

といって小学4年生まで手に取ることがなかった。

私の周りでも、小学3年生で星新一が好き!といっている友達はなかなかいなかった。

そのことを私はひそかに、誇らしく思っている。


そして大学生になったいま、私は星新一賞に応募している。

昨年は最終審査で落ちたが、審査員の大森さんからの評が私を元気づけてくれる。

きょうは1作品目を完成させ、母や妹に読んでもらう予定だ。

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さやま

大学生2年生19歳、好きなことを書きなぐっています。Twitterと連携してるよ(同じアイコン、名前です)
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