【英国】映画「女王陛下のお気に入り」のロケ地に行ってきた【観光】

断言には少し早いけれど、2019年に鑑賞した映画で個人的なベストは現時点で上記作品。現代屈指の変態映画監督であるヨルゴス・ランティモスのぶっとんだ演出に3人(オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)の超一流女優たちがその期待以上の演技で応え、とてもすっごく非常に魅力的な作品に仕上がっております。

公開間もなくすぐに劇場に足を運び、この作品を鑑賞しましたが、雷に打たれたような感覚に襲われました。シンプルに言えば感動しました。今年ベストと言いましたが、本当は生涯でも1,2を争うくらいに‘お気に入り’となった作品です。どれくらい‘お気に入り’かと言ったら、

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撮影ロケ地を見学するために英国・ロンドンへ飛んじゃうくらい‘お気に入り’です。

ということで行ってきました。映画「女王陛下のお気に入り」でほとんどのシーンで撮影に使われた、ハットフィールドハウスへ。

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ちょうど滞在期間中に、映画で使用された衣装の展示をやっていたので、撮影場所の見学とともに楽しめた。魚眼レンズを用いた広角撮影が評価された一方で、劇中に使われた衣装の評価も高かった。なんでも凄腕のコーディネーターを雇って、衣装にも力を入れていたことをハットフィールドハウスに勤務するスタッフが胸を張って答えていた。ランティモスは本当に細部の細部までこだわっていた模様。

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エマストーンが初めて宮廷に足を踏み入れ、レイチェルワイズと顔を合わせた廊下。

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レイチェルワイズに本を投げられた本棚。

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舞踏会やアヒルレースで使われた白黒タイルの部屋。ジョー・アルウィンの変なダンスを今も思い出す。

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射撃シーンで利用された庭。冒頭でエマストーンが肥溜めにダイブしたシーンで使われた森もこの敷地内で撮影が行なわれた。

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今思い出しても映画鑑賞中の興奮が蘇ります!

作中ではあまりにも忖度せずに権力を振りかざし続けるレイチェルワイズと仲違いをして、最終的に解雇させたオリヴィア・コールマン。忖度しまくるエマストーンを優遇させた結果、誰も幸せにならない結末で映画は終わったわけなんですが、実話には続きがありました。

オリヴィア・コールマンが演じたアン女王は後年、初代マールバラ公爵であるジョン・チャーチルにスペイン継承戦争の勝利に多大な貢献をした功績を讃えて、ブレナム宮殿を与えた。

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このブレナム宮殿にも足を運んじゃいました。えへへ。

このブレナム宮殿が与えられたジョン・チャーチルは作中でレイチェルワイズが演じたサラ・チャーチルの夫であるのだが、実際に与えられた時期はスペイン継承戦争勝利のおよそ30年後。だいぶ時間差がありました。

表向きはジョン・チャーチルへのご褒美によって与えられたブレナム宮殿ですが、本当の狙いは好ましくない別れ方をした親友であるサラ・チャーチルへのアン女王による惜別のプレゼントだったのでは、という説が英国歴史専門家たちの間では根強いようです。喧嘩した友人に後に世界遺産となる宮殿をプレゼントをするなんて、ものすごくスケールの大きな話ですな。

ちなみにこのブレナム宮殿。後の英国首相となるウィンストン・チャーチルの生家である。昨年のアカデミー賞で彼の役を演じたゲイリー・オールドマンが主演男優賞を受賞したのは記憶に新しいところ。彼はジョン・チャーチルの子孫で、映画の世界線ではレイチェルワイズの血がゲイリー・オールドマンに辿りつく、というなんともリアクションに困る血統表を差し出された気分である。

と、こんな感じで英国旅行を楽しみました。好きな映画のロケ地に足を運び、詳しいスタッフに撮影の裏話をたくさん聞けて、ものすごく有意義な時間でした(拙い英語力なので、ほとんど理解できなかったことは内緒だ)。

ちょうどDVDも発売されて、名画座ではそろそろ今作の上映が始まる頃。時間見つけて、またスクリーンで鑑賞しましょうかね。きっとロケ地に行った感動が再び蘇ることでしょう。

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