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山桜と闇の者     秋風

冷たい風が頰を撫でる

もう、とうに眼を開けない

闇の者

何処ぞ転がっていた躯を

見知った妖に連れられて来たのだ

躯でも側に在れば

伝染るのか

闇色に幹が変わった

枝先に闇の者が

気に入っていた色のままに

次々と

花が咲いて逝くんだ

秋風に舞う花弁

山桜の狂い咲きだ


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