死鳥
📌死鳥①
崖から人間が
派手に転げ落ちた
これは助から無いなと
見ていると意識があるみたいだ
だが
人間の足は…死んだな と
軽く足を撫で
血を掬い舐めとった
味は悪くない
「人間 命を助けて欲しければ
お前の砕け死んだ足を
私におくれ」と
指に付いた
血を舐めながら
私は人間に言った
📌死鳥②
あの日の事
忘れた訳じゃ無い
思った通りに動く足に
夢だった…?なんて
だけど
今、眠っていた
自分の足の小指の骨を
齧る物がいる
ガリガリと齧り付く物がいる
痛みは無い血は出ない
ガリガリと
自分の骨を齧る感覚が
足の小指からするんだ
📌死鳥③
真夜中に
足からの違和感に
眼が覚める
足先の小さな骨が
バラバラにされて
転がっている感覚だ
コツンコツンと
何処かに当たり
また転がって行く
コツンコツンと
当たる音と
コロコロと
転がる振動が
足先から伝わる
一晩中
コツンコツン
コロコロ
コツンコツン
コロコロと…
📌死鳥④
指先で摘む様に
白い骨を持つ
此れは足の親指の骨だ
骨を使って線を書くと
骨は削れながら
掠れた白い線になる
続けて書けば文字に…
綴られたのは何の言葉か?
書いたのは呪いの言葉か?
それとも…
其れは
足の親指が感じる筈だ
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