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他者と働く

日々の仕事で直面する「技術的問題」は、その道のエキスパートを中心に解決に向けて取り組んでいけるのですが、人間関係のような「適応課題」は手つかずで放置されることが多いように思います。その「適応課題」の解決手段が「対話」だと著者は言います。

「対話」とは、
権限や立場とは関係なく誰にでも、
「双方向にお互いを受け入れ合っていくこと」

お互いを受け入れ合うには、
自分や相手の
「ナラティヴ」
を知るところから始まります。

上司あるいは部下としての立場、
所属する組織のしがらみ、
仕事に対する思い入れ、
家族を大切にしたい気持ち、
そんなことから
「解釈の枠組み」=「ナラティヴ」
が決まります。

「対話」なら私にもできる。
と、言うは易し。

著者の言う「対話」は、カウンセリングのスキルそのもの、訓練してこそ身につくものだなぁと思います。これからもコツコツとスキルアップに取り組みます。

この本の背景にある「ナラティヴ・アプローチ」の思想は、ガーゲンらが掲げる社会構成主義(social constructionism)という思想に基づいています。

「ナラティヴ・アプローチ」をキャリアカウンセリングに応用したのがサビカスのキャリア構築理論です。

経験代謝理論でいう「自己概念」がこの著書でいう「ナラティヴ」にあたるものだと理解しました。つまり経験代謝理論も社会構成主義に基づいているのだと気が付きました。

先人の築き上げた理論を学ぶこと。その大切さが身に沁みます。

2019年10月初版の本で少し古いですが、
面白かったので共有します。

他者と働く -「わかりあえなさ」から始める組織論ー
宇田川元一著

2023/2/5


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