伊勢田 亮
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タイトルも文章も思いつき
フリータイトルを元に書いたものたち
秋桜十編 より
おはようございます、こんにちは、こんばんは。 そしてはじめまして。 伊勢田亮と申します。 これまで細々と詩のような文章を書くばかりでしたが初めて自分自身のことについて書こうと思います。 稚拙ではありますがお付き合いいただけますと幸いです。 昔から本を読むことが好きでした。 歳をとるにつれて読書に割く時間は減ったものの、中学生までは休み時間だけでなく授業中にも隠れて本を読んでいるような子供でした。 読むものといえば専ら小説、たまに詩集。 ジャンルには特に拘りなく手当り次第読ん
微振動を続ける視界が青く染まって、僕は小鳥の群れを追いかける。 数多のさえずりに耳を傾けたところで幸福になどなれやしないのに、見失うのが恐ろしい。 おいていかないでよ。 僕の声はただ素通りしていくばかりで誰も気にもとめない。 閉ざされた扉の向こうの悪魔は夢の中で肥大する。 こんなことなら扉があることにすら気づかなければよかったのに、向こう側から微かに聞こえる笑い声の妄想が首を絞める。 夕焼けに照らされた街はキラキラ眩しくて全てが嘘のように思えた。 顔の無い住人が灯す明かり
『君の為に使い果たした一途さを、君が惜しむ権利なんかない。 君を好きな私は死にました。 もう君はingでは綴れない、過去形の人。 惚れた方が負けだなんてわかってる。連戦連敗でいい、いつだって私の負け。 だけどそれでも君の指に触れたかった、君の心に寄り添いたかった、君と同じ景色を見たかった。 私が好きだった君もきっと少しずつ私の中で死んでいく。 どれだけの時間をかければ完全に殺せるのかな、君の亡骸をきちんと葬れる日は来るのかな。 いつだって君の影を追っていたの、一度だって捕まえ
夏の鮮やかさが目に痛む、 僕の青春は死んだのだ 取り戻せないもの 手の届かないもの いつだって遠く遠く輝いて あの日感じた胸の高鳴りは影を潜める 平坦なリズムを刻むばかりの生命を 擦り減らすことに惹かれてしまう 僕 君はなんて言うだろう ただ笑っていてほしいと駆け出した日の夢を 何度も繰り返しなぞっている 無敵だったのは無知だったから 気付けば僕は独り止まった時の中 「取り残されたみたいだ」 大人になったのねって嘲笑 滴に映りこんだ季節は輝く傍から染みになる すくい上げる
ハンドルを握る君の視界にたった一瞬でも写りたいと願った私がフロントガラスに飛び散って乱反射する。 流れる世界がもう終わりだと囁くから、それならいっそ置いていってほしい なんて我儘に気付かない優しさを、踏みにじりたいという欲。 真っ直ぐに前を見つめる横顔が私のものではないこと、きっとずっと前から気付いていた。 追いかける背中は遥か彼方に遠ざかって、微かな煙に寄り添う私はどこへも行けやしないからただよっていよう、もう少しだけ。 揺れる車内で辿った雨粒の道が君に続いていてほ
穏やかに漂う心地の夢を見ていた。 静かな夜は濡羽色に瞬いて、きみの瞳に似ている。 ここには何も無い。何も無いから安心して、きみもゆらゆら漂っていればいいよ。 規則的に並んだモノクロに触れると澄んだ音が響いて、音は宇宙だ、と思った。 そこにあることを、どこまでも広がっていくことを、見えもしないのに誰もがわかっている。 触れることだって出来やしないのに、たったひとつを分け合った僕らは紡いだ先にあるものを望んでいる。 いつか来ることを、きっと、誰も知らない終焉。 空が鳴っている
さあ、白黒つけよう その想いで踏み出した1歩はぬかるんだ暗闇に沈んでいく。 足掻くほどに遠ざかる光の、どうしようもない美しさが悪い夢であればよかった。 大事に積み上げた宝物だっていつか瓦礫の山と化すのだろう、きっと誰もがわかっていて、それにうっすらと滲ませた諦めが大人の証のようで恐ろしい。 君も僕も子供のままでいられたら沈むこともなかった 理想と仮定にしがみつく僕はもうどこにも行けないから、君だけはせめて陽だまりで笑っていて。 いたずらに雪が降る、踏み締められて汚れた色を覆
これまで何度さよならを言っただろう、届かないと知りながら胸の内で告げる別れは今日もまた私を引き裂いていく。 何も知らない無垢な君は明日も変わらず私の前で笑ってくれるんでしょう、それ故に残酷であることを露ほども、夢にすら、思っていない無邪気さ。 傷つけたい汚したい、駄目ならせめて憎めたら、そう叫ぶ心を何度も殺して同時にさよならを告げていること、どうか気付かずにいてください。 君の一番になれても唯一になれないことが苦しいなんて傲慢で卑しい私を、何より私が許せない。 飲めもしないア
さよならの前に覚えておきたいことはなんですか。 湿った枕に頬を擦り付けて眠る夜が問いかけてくる度に朝日が憎たらしく思える 君が死ぬならなんだっていいや 笑顔の裏の棘が隠せていない君はなんて優しい人だろう 夏の匂いが鼻先を掠める度に、うだるような暑さの中で震えていた肩が脳裏に浮かぶ 愛おしい、と初めて感じた時には全てが終わっていた どうにもならない仮定の話 目の前で揺らぐ金魚の尾ひれが高い笑い声と共に遠ざかっていく 手を伸ばすことも叶わずに空を仰ぐと塩っぱい雨が降り注ぐから目
振り返ることはできなかったけれど、近付いてくるその足音が誰のものかなんてわかりきっていた。 夕陽が射し込む部屋の中、僕は本を読んでいる。 近付いてきた足音は僕の背後で何も言わないから、僕も振り返らずに文字を追う。 静寂とアールグレイの香りに包まれた中でどれだけの時間が過ぎただろう。 文字はただ滑るばかりで一向に意味を成さない。 諦めて本を閉じようとすると、背後の気配が動いてひやりとした手が僕の目を覆う。 細い手だ、細く長い指が僕の眉間をなぞっていく。 どうしたの、と問うても
あなたはいつも笑うから、私は何も言えなくなる 夜を映した濃藍の淵に佇んで白い息を吐く 晴れていれば澄んで輝いているはずの水面も、時折白銅色にぼんやりと揺らぐばかりだ いっそ沈んで溶けて、消えてしまえたら あなたと分かり合えるだろうか 湖を綺麗だなんて どれだけ澄んで見えたとしても、掻き回せば途端に濁った水で溢れかえるのに そう言ってわらったあなたの顔が焼き付いてじくじくと疼く あの時も、結局何も言えなかったのだから 自分を憎むあなたはいつだって、
『愛してほしいって、本当はずっと思ってた 苦しくて泣きそうな夜に煙草は優しくて、どれだけ堪えても結局だらしなく流れ落ちる涙に言い訳をくれる 嘘も強がりも、生きてくるには必要なことだったの 綺麗な君に共感なんてされたくない 全部捨ててきたつもりで笑っても、視線を落とせば足元に伸びる影が渦を巻く 何処までもついてまわるんだって きっと、この先も、ずっと 正しさで私を突き刺すのなら、正しい道へ手を引いてよ 一人で背負って歩き続けられるほど私は強くはなれないから 失ったものの数だ
ただひたすら想っていた、そのことをあなたは知っていますか。 雨の匂いが立ち込める中、ひとつの傘をさしている僕らはきっと世界にふたりきりだった。 水溜まりに落ちて光る虹を雨粒が拡げて、映り込んだ街は揺蕩う。 永遠なんてものは無いなんてとうの昔に気付いていたけれど、それでも信じていたかった僕を、あなたは笑いますか。 祈るように重ねた手のひらがひどく熱かった夜、首のない鳥が羽ばたく夢を見た。 空を仰いで足踏みを続けている僕はどこにも行けやしないのに、間違いさえも許容してほしかった、
彼女には花がよく似合うと思っていたのはきっと、僕だけではないだろう。 美しい人だった。 金木犀の香りがして、奥底へとしまい込んだ記憶が僕を呼んでいる。 あの日の彼女がどんなかおをしていたかすら、ぼんやりと霞んでいるのに。 なにかに急かされるように夢中で駆け出して、頬にあたる風が冷たく嗤う。 野良猫がにゃあと鳴く、ここにはひとり 血のような赫、目を塞ぎたくなるほどの夕焼け 全部振りほどくみたいに走っているのに呑み込まれて、融け合うみたいに世界が耳元で脈を打つ。 夕日が心臓のよう
知らない方が幸せなことだってある、 君はいつだってそう言ってわらう。 君の笑顔が嫌いです。 きゅっと細まる目の奥はどこか暗く冷えていて、決まって私を寂しくさせる。 知らない振りでは駄目ですか。 全てを知ったその上で、君の笑顔を乱したい。 知れば不幸になるなんて、思い上がりだって証明したい。 君への感情をわらって切り捨てる君が憎い。 確かにこの胸に存在しているのに、切り開いたところで君に見せつけてやれないそれが悲しかった。 君の秘密の一部になりたい。 そんな私の願いですら、きっ
器用に生きられないからちょっとしたことで全部嫌になる