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中国ドラマ「運命のキスをお願い!」(我好喜欢你)

主演:ジェリー・イェン(言承旭)、シェンユエ(沈月)
2020年 全34話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆

私が華流ドラマを観るきっかけとなった「流星花園」。
日本の漫画『花より男子」を原作とし、2001年の台湾版と2018年の中国版という2本の公式版(注:非公式中国版もあるので)でそれぞれ主役だった二人の共演ということで、公開前からドラマファンの間では話題になっていたこのドラマは、やっと2020年夏に公開された。
台湾版の道明寺役のジェリー演じる運の強いファッション誌編集長ルー・シンチェン(陆星成)と、中国版の杉菜(つくし)役を演じたシェンユエがなんとも運の悪い無名のデザイナートン・シャオヨー(童小悠)という役で、二人の運があるきっかけにより入れ替わってしまう。仕事での地位や財産まで失ってしまうルー・シンチェンと、みるみるうちにデザイナーとして頭角を表していくトン・シャオヨーの早くいえばラブストーリーで、それに家族とのしがらみや友人たちの恋愛、結婚、人間関係などが描かれている。

ケミストリーがない

一番最初の記事で、オススメ度が2つ星と低いのも申し訳ないが、ジェリーファンにとっても、シェンユエファンにとっても、正直あまり満足のいく作品ではなかったと思う。5話ぐらいまではストーリーのテンポも良く、なかなか面白かったのであるが、その後の展開がとてもスローであった。
華流ドラマはとにかく長いので、最初の1話のみならず、何話か観てみないと面白いかどうかわからないことが多い。10話にきてめちゃくちゃハマる頃、日本のドラマは終わるが、華流ドラマはそこからが勝負である。

主演の二人がだんだんその距離を縮めていくのであるが、二人の間にケミストリーが全くないのである。単に年齢差だけではないだろう。実際は20歳近い年齢差があるが、それ以前の問題で、観ていて二人に全くキュンキュン💖させられないのである。私はジェリーのドラマは1本を除いてほとんど見ているが、どれも相手役とはとてもいい感じで、全部大好きなのであるが、これはとにかく二人が合わない。
ジェリーファンの私からいえば、シェンユエのイメージが釣り合わないが、彼女のファンからするとジェリーが年上すぎて釣り合わないとコメントが殺到していた。
どうも私には彼女が杉菜役のイメージが強く、”貧乏くさい女の子”(注:中国版のつくしはド貧乏ではない)にどうしても映ってしまい、ファッション業界のストーリーであるにも関わらず、洋服も決して素敵とはいえないし、着こなせてもいない。『最高の元カレ』のジャン・シューイン(江疏影)や『Love Designer (幸福,触手可及)』のディルラバ(迪丽热巴)のようなもっとゴージャズな女優にしてほしかった。

ジェリーファンにはデジャビュ?

ルー・シンチェンには親子のしがらみがある。義理の弟でライバルでもあるルー・ヤンズー(マイルズ・ウェイ魏哲鸣)と実の父親ルー・ラン(エディ・チョン张兆辉)との不仲の様子が20話以上続く。え、父と義理の弟?それって。。。ジェリーの2014年の主演ドラマ『Loving, never forgetting (恋恋不忘)』と同じ???
もちろん最終的には和解するのであるが、不仲の原因はかなり最終話に近くならないと判明しない。『恋恋不忘』の方がかなりドラマチックな展開なので、それと比べてしまうとちょっと物足りない。
友人たちの恋愛事情もかなり平凡なもので、これといって面白いポイントはなかった。

舞台は蘇州

とまあ、ネガティブなことばかり書いたが、このドラマでとてもよかったのは、舞台になった蘇州の町である。私も行ったことがあるが、蘇州は他の中国の現代ドラマでもよく舞台になっており、使われている場所も結構同じ場合が多いのであるが、これは少し違う地区が使われていて、とてもよかった。他のドラマだと超近代的なオフィスビルやショッピングモール、高級アパート、或いは運河のある旧市街が定番であるが、監督が台湾人のようなので、また中国人の監督とは違ったイメージの蘇州を映してくれている。

私のようにジェリーの大ファンというモチベーションがないと、34話観るのはちょっと苦しいかもしれない。でも「とてもよかった!」という感想も多いので、面白いと感じる人はいると思う。


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