主演： 比嘉愛未、渡邊圭祐、ディーン・フジオカ
2021年　全11話
いしゃーしゃ的オススメ度：★★★☆☆
（写真：フジテレビ公式サイトより）

今クール、唯一視聴した日本ドラマ。これだけ観たいアジア各国のドラマがあると、日本のはそれこそ「推し」が出ていないとなかなかモチベーションが上がらないのである。本作ではもちろんおディーン様と渡邊圭祐君。でももっと観なきゃなぁ。。。

”王子様”を育てる育成ドラマ

あらすじはWikipediaより。

ゲーム制作のベンチャー企業「ペガサス・インク」の社長・日高泉美（比嘉愛未演）は、全てを自分の理想通りに作り上げたケント様というキャラクターと恋に落ちる乙女ゲーム『ラブ・マイ・ペガサス』が異例の大ヒットを記録したことで、新進気鋭の経営者として一躍世間から注目されるが、近年は新作ゲームを生み出すことに難航していた。
そんなある日、容姿がケント様にソックリな五十嵐航（渡邊圭祐演）が空から舞い降りてきて、彼に抱きしめられるという衝撃的な出会いを果たすが、当の航は無気力・無作法・無教養、更には恋愛経験もないという「ないない尽くし」の青年であった。泉美は一度は失望するも航をペガサス・インクで雇い、さながら乙女ゲームのように、仕事に言葉遣い、マナー、知識、更には生きがいや恋の仕方まで教えこもうと奮闘する。

ちょっと既定路線過ぎたストーリー

あまり余計な知識もなく、おディーン様が出るという理由で観始めた本作だったが、今流行りの「推し」をテーマとしているところはとても良かった。ペガサス・インクで働くスタッフそれぞれが、自分の推し、こだわりというのを持っていて、それをとことん突き詰めていく。”推し活”や”推しごと”と言った関連キーワードや意味も、航に教えるという形で、知らない人にもわかるように説明されていたのではないだろうか。

私はスマホのゲームなどをやらないので、実際のゲームやそれを取り囲むSNS事情、ましてはゲーム制作会社のことはよく知らないが、そういう側面も取り上げられていたので、まあ良かった。中国ドラマだと、主人公たちがゲームをするというものが多いが（ゲームの宣伝も兼ねている）、製作者側に焦点を当てるのは日本のドラマらしい。

しかし、やはり中韓ドラマを観過ぎているからだろうか。色々なディテールを端折り過ぎている感があり、説得力が低い部分がある。航が急にデキる男になってくるあたりから、もうストーリーが読めてしまうので、サプライズもなく、既定路線で終わった感じである。

エンディングが分かっていても、もう少し脇役たちのストーリーや、大企業に買収されてからのストーリーも細かに描写されていると物語に深みが出たのではないかと思うのだが。まあ、中国ドラマみたいに40話になるのも困るが、日本のドラマも15〜20話ぐらいにして（昔は結構あったと思うのだが）、内容を充実させてほしいと感じてしまった。

アラビア語、ハンガリー語字幕も

本作放送中半ばごろで知ったのだが、なんと、これがRakuten VIKIを通して世界同時配信されていたのには驚いた。Rakuten傘下にある海外動画配信サービスだが、VIKIの特徴は世界各国の有志による「字幕チーム」というのが結成され、各国語に翻訳された字幕がつくことである。VIKIは広告収入、メンバーシップ会費のほかに、この字幕をNetflixなどに販売することで、運営されているらしい。

韓国、中国のドラマがメインだが、日本のドラマも過去作品が何本か出されている。しかし、最近ではMBS”ドラマ特区”シリーズの「社内マリッジハニー」や「ラブファントム」が日本放送と同時に配信されていた。このシリーズの作品が多いように感じたが、今回驚いたのは、本作がフジテレビのものだからである。

フジテレビの作品も過去のものは何本か出されているが、海外で同時配信というのにはちょっと驚いた。しかし、今の時代、日本国内放送＆配信だけに拘っていては、俳優たちも納得しないだろう。

13ヶ国語の字幕がつけられている本作、「サウサゲ」の各国語訳が非常に気になるところだが(笑)、作品の評価は概ね良くて、既に比較的ミュージシャンとして知られているおディーン様はもちろん、渡邊圭祐君も、比嘉愛未ちゃんも人気のようである。

ただ、VIKIの10点満点評価は、アジアドラマファンの間では「当てにならない評価」として知られている。自分の母国語の字幕がない！という理由で星1つをつける人や、推しが出てるという理由だけで星10つける人があまりにも多いからだ(笑)。だからあまり気にする必要はないが、日本のドラマもキャストやストーリーがいいものは多いので、どんどん世界に向けて同時配信していってほしいし、よりストーリーを充実させると中韓ドラマと並んで人気が出ると思う。

本作の字幕チームMy Prince Charmingの皆さん、お疲れ様でした〜！

こちらはおディーン様歌うオープニングの「RUNAWAY」♪　この”逃避する”というのもこのドラマの一つのテーマになっていたので、とても合っている曲だと思った。