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韓国ドラマ「財閥家の末息子」

主演:ソン・ジュンギ、イ・ソンミン、シン・ヒョンビン、キム・ヒョン
2022年 全16話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=すべてnamu.wikiより)

さて、本作も昨年末に完走した一本。いつか観ようと配信開始時にリストに入れていたが、なんだか視聴率が高く評判がいいようだったのでフッと観たらどハマりしてしまった。
2022年度振り返り記事でも書いたが、プロット的にはイ・ジュンギ主演の『アゲイン・マイ・ライフ』と似ている。つまり、主人公が一度死んで生き返ってもう一度生きるのだが、本作の主人公は別人物となって生き返り、全く違う人生を歩んでいくというものである。

しがない室長が財閥家の孫に

ソン・ジュンギ演じるユン・ヒョヌは財閥家の持つスンヤングループ傘下の部署で室長として働いている。オーナーであるスンヤン一家に忠実に従い、ありとあらゆる業務をこなしている。
ある日、スンヤングループの海外に隠されている資産を持ち帰るという任務を受けたヒョヌはトルコへ向かう。無事に銀行の金庫から資産を受け取ったものの、戻る途中に拉致され、殺されてしまった。。。。

。。。気がつくと車に乗っている。
同乗しているのはスンヤン家の三男チン・ユンギの家族。窓に映る自分は少年の姿。どこかに到着すると、スンヤン一族が勢揃いしており、なんと20年前に死んだはずのチン・ヤンチョル会長(イ・ソンミン演)までいる!

なんとヒョヌは、チン・ヤンチョル会長の三男ユンギの次男で、スンヤン家の末孫で亡くなっているはずのチン・ドジュンの姿になって、1987年に舞い戻ってきたのであった!

貧乏な一家に生まれ育ったヒョヌが、急にドジュンとして財閥家の一員として暮らすようになるが、とある出来事でチン・ヤンチョル会長の信頼を得るようになり、もともと頭脳明晰だったのに加えて、未来の出来事がわかっているため、財閥家の中でメキメキと頭角を表していくのであった。

なぜ自分がチン・ドジュンに生まれ変わったのか?
そういえばチン・ドジュンはなぜ若くして死んでしまったのだろう?
ヒョヌ自身の運命を変えることはできるのか?

韓国激動の1980年代から2000年代まで、チン・ドジュンとして再び生きるヒョヌの冒険が始まる。

嫉妬と欲望が渦巻く財閥家のドロドロ人間関係

本作の見どころはまず財閥家の人間関係。こういうドロドロ系は韓国お得意と言えるだろう。独裁者的なチン・ヨンチョル会長、その妻、そして4人の子供達。それからその子供達の配偶者とその子供達。。。

彼らによって繰り広げられるドロドロ愛憎劇

全員が会長の顔色を伺い、何としても多くのものを手に入れたいと、必死にもがく有様が、キャストたちによってうまく表現されていた。
ちょっと前に視聴した『赤と黒』もそうだったが、財閥というのは婚外子も含め、色々と複雑な家族内闘争が起こるところなんだろう。日本ではあまりドラマで取り上げられることがないのでよくわからないが、韓国はうまくそれをドラマ化していると言える。このスンヤン家も一応モデルとなる実在の財閥一家があるらしい。

キャストで一番良かったのはなんといっても会長役のイ・ソンミン。『ミセン』でしか見たことがなかったが、迫力満点であった。こんな人がおじいちゃんだったら怖い怖い。。。
バリバリ現役の会長姿も良かったが、後半の体調を崩してからの姿も見ものである。

ソン・ジュンギはうってつけの役だったと思うが、それにしてもイ・ジュンギと同様、なんで大学生役をやっても違和感がないのか???美肌のお手入れ、すごいんだろうなぁ。

韓国の政治経済史としても面白い

人間関係も面白かったが、本作では韓国の政治および経済史を振り返ることもできたのは興味深かった。経済はとにかく疎いので(汗)、知らないことが多かったが、1987年の初の大統領選挙に始まり、1988年のソウル・オリンピックなどなんとなく昔覚えているものもあった。
しかし、本作でも色々なエピソードが出てくるが、例えば1997年の通貨危機、IMF介入云々は全く知らなかったのでなかなか興味深かった。
それから2000年問題。そういえばあったなぁ。コンピューターを使っている会社に勤める友人たちがみんな、1999年12月31日から2000年元旦にかけて徹夜勤務してたっけ。

そのほか、国内の大手企業や金融ローン関連の問題など、さまざまな経済危機の歴史的事件にも触れられており、いかに隣国の状況を知らなかったかを認識。
でも私だって生き返って、その時代をもう一度生きたら、うまくやって儲けられたかも!いや、やはり「疑心 欲心 変心」を持ち合わせていないとダメかな。

うまく回収されていた

輪廻転生や生まれ変わり、入れ替わりのストーリーは、結末でどのように決着をつけるか、回収させるかによって面白かったかどうか決まるだろう。本作の結末は、韓国では評判が悪かったらしいし、韓国ドラマファンのディスカッショングループでも、かなり賛否が分かれていた。
しかし、個人的にはこの回収の仕方はとても気に入った。まあ、2話から15話まではとにかくストーリーの展開自体が面白いので、結末が気に入らなくても作品評価にはそんなに影響がないかもしれない。

現時点では日本での放送・配信は決まってないようだが、大ヒットしたので、そのうちどこかで出るだろう。ソン・ジュンギやイ・ソンミンのファンのみならず、ドロドロした人間関係ほか、歴史・経済の観点から見ても面白かったので、そういうのに興味がある方はぜひ!

こちらがATEEZのジョンホが歌うメインOSTの『Gravity』♫


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