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6割の真実

世の中には6割主義という言葉があるそうですね。
完璧主義と対比して、完璧主義は生きづらいから、6割の力で生きようってやつです。
まぁ確かに、これから〆切に向けてタスク分配をするぞってときに毎日全力疾走、完璧に一日を終えないと次に進めない、なんてのを前提にして組んだらいざ実行となった際に疲れちゃいますからね。
それに、風邪を引いたとか、イレギュラーがあってどうしても10割の力を出せなかったとき、スケジュールが狂ってしまいます。あるいは、やむを得ない事情があるのに自責の念に駆られてしまうか。
ふむ、これは良くない。10割の力で走り続けられたら〆切に間に合う。そんなバカなスケジュールの組み方をするべきではありませんね。
では、何割の力で達成できるように組むのが賢いのかって考えたときに、おぼろげながら浮かんできたんです。6という数字が……

というわけで小泉リスペクトで始まりました。お久しぶりです、いしころです。
今回は創作を学ぶ中で得た知識だったり経験が人生全般にも適応できるんじゃないかなって思いまして、こうして筆を執っております。
タイトルにあるように、6割の真実。
そこそこに厳しい現実を語ることになるので、心して読んでください。あっでも、できればブラウザバックはしないでくださいね。せっかく書いたんだから、文章は読んでほしい。我儘とは言うまいな。

というわけで話を戻すわけですが、どうして6なんだいと疑問に思いました。
これはきっと、6割の力で走っていれば、長く走り続けられるということで設定されている数字なのでしょう。それと、流行りのワークライフバランスみたいな、そんな考え方を採用した結果でもあるかもしれません。
とにかく、人間、常に全力疾走では壊れてしまいますから、そうならないためにもどこかで適度に手を抜く、休む、といった工程が必要になります。
これらを加味してどれくらいの力で生きれば壊れないか、そのボーダーというか、平均値的なものが6割なんじゃないかな、と思います。

で、実際に6割ってどれくらいだろうって考えると、思ってた以上に少ないんですよね。
例えば、稼働時間の話をすると、1日に8時間+2時間残業をしている人がいたとしましょう。月の残業時間が45時間を超えると健康に影響が、なんて言われますから、これは結構な数字かもしれないですね。
このケースで6割にすると、1日あたり6時間の労働時間になります。ピッタリまでなら休憩なしで働けちゃうんです。
冷静に考えたら40%オフって結構な割引ですもんね。

実際はこんなにきっぱりと時間で区切られないでしょうし、ダラダラと仕事していたら10割とも言えないので適切な例えではなかったかもしれません。
いつもバリバリ集中して働くんじゃなくて、ちょっとゆっくり仕事してみる、時間も短くして、総合的に全力の6割で働く。
これが正しい6割主義、なのかな。多分。

で、そんなことをしていると割り振られた仕事が終わらないわけです。ただ、ここでやっちゃいけないのが、ちょっと頑張ってみること。
ちょっと頑張ると周りからこれくらいの仕事はこなせるんだなと判断されて、また同じ量の仕事が割り振られます。
これではいつまで経っても6割に戻ることができません。
もちろん、繁忙期に一時的に頑張るくらいは必要ですが、その忙しいときの頑張りのためには普段力をセーブしておく必要があるんですね。
本当に長距離走みたいだ。大事なのはペース配分。
体力測定の長距離走、最初にダッシュした奴が1番だったところ、見たことありませんから。それと同じ話です。

でも、6割の力でずっとやっていたら、本気出せばできることができなくて、周りからこの程度かって誤解されちゃうじゃん……。
と思ったそこのあなた。そうです。
ここが今回の肝になる部分です。

6割の真実、それは、「6割の力で出力できる成果が本当の実力である」という考え方です。
厳しい現実かもしれませんが、少なくとも周囲からこれがこの人の実力なんだと思われておかないと、必要以上に仕事を割り振られて壊れてしまいますから。

ここで別の方向から6割理論を見てみましょう。
これが僕が創作を学ぶ中で得たものです。
作者より頭の良いキャラクターは作れるのかどうか論争、そのひとつの解に「時間をかけて考えた結論を天才キャラには一瞬で出させる」というものがあります。
あるいは「調べまわって、人にも相談して、力を尽くした末に出した答えを天才には自力で出させる」でも良いでしょう。
とにかく、能力値に差があっても時間や労力、なんでもいいからコストをかければ成果物の質は上げられるわけです。
下手は下手なりに時間をかけて見栄えの良いものを作っていたりする。僕もイラストを描くときはたくさんCtrl+Zでやり直して時間かけてますからね。

で、何が言いたいのって話なんですが、基本的に人間ってのは自分の腕より目の方が肥えてるわけです。
だから、納得するものが出力できるまでには莫大なコストがかかる。労力も時間も、使えるだけ使うことになります。
〆切のない仕事ならそれでも良いでしょう。例えば賞に作品を応募するとして、賞の存在を知ってからそれに向けて作ったものを応募するのと、納得いくまで作り直して完成したときにたまたま開催していた賞に応募する、ではかけられる時間に差があるのが分かりますよね?
後者の方がコストがかけられている分、良い作品である可能性が高いわけです。
まぁ、そもそもの実力差とか、運や思い付きもあるので一概にどちらが良いとは言えませんが、同じ実力でアベレージを取ったら時間をかけた方が良い出来なのは疑いようのない事実です。

ただ、基本的に世の中の仕事には〆切があります。
限られた時間の中で、成果を出さなければならない。

そこで、今までの話を合算してみましょう。
6割の力で出力できる成果が本当の実力であり、成果物の質を上げるにはコストをかける必要がある。
与えられた仕事が6つと、〆切が設定された場合、どう動くのが良いか。

まずは均等にやるパターン。
どれも同じくらいに手抜き感があって、でも及第点(60点)はもらえる。そんな感じ。(計360点)
それから重要な仕事は少し時間をかけて、それ以外は減らして調整するパターン。
3つを重要として作業すると、成果物のうち3つは80点、それ以外は及第点をもらえない(40点)。そんな感じ。(計360点)
そして前から順に納得のいくまでやるパターン。
3つが100点で、1つが及第点(60点)。残り2つは手つかずで評価すらされない(0点)。そんな感じ。(計360点)

こんな感じで、どこに力を入れるのかをその時々で選ぶわけです。得意なことに時間をかけて、そういう仕事が多く回ってくるようにするとか、アピールポイントに力を入れて、どうでも良いところでは手を抜くとか、そういう話ですね。
これが上手くできないと、結局合計点数は変動しないのに変なところで頑張っちゃって後に響くわけです。

では、上手くできないとはどういうことか、それが完璧主義であったり、妥協点を見つけられないということなのでしょう。
上手く妥協できないばかりに〆切に間に合わず、手抜きの60点を出している人より評価が下になるわけです。
バカバカしいと思いませんか。本気でやってた方が評価低いなんて。

もちろん、これは平均60点を出そうって話ではありません。さっきの例で言ったら、制限時間の半分も使わずに600点、いや、1つにつき120点を取って720点を叩き出す化け物がいるのが世界です。
今は60点しか取れなくても、人は成長します。
6割の力で出せる成果もどんどん増えていくわけです。
成長のための余力を残しておくためにも、普段は6割の力で生きていたいものですね。

ということで、壊れないで働き続けるにはどうしたら良いかの話でした。
僕はたまーに3徹してギリギリ〆切に間に合わせたりしてますけど、これは本当に命削ってますからね。
体力に自信のない人は特に、継戦能力を保持することを意識した方が良いと思います。壊れてから治すコスト考えたら、壊れないのが一番ですからね。
結局、6割で走り続ける方が最終的な距離は長かったりするんですよ。
手を抜いているように見えてその実、最高効率で走っていただけ。
なんて、ちょっとカッコよくありませんか。そうでもない? そうですか……

では、文字数もかさんでしまったので、今回は余計なことは言わずにサッと終わりましょう。
そうです。結局お前、また頑張らなくて良い理由を探してただけじゃねーか! って言われる前にね、締めるんです。
まぁ、苦労や努力が美徳とされる社会には辟易としているんですがね、それはまた別のお話。
このおもらしも含めて6割主義、どうですかって読者に委ねちゃいます。

それではまた次の機会にお会いしましょう。
写真は冷蔵庫に入っていたもので錬成したありあわせ鍋です。すっかり鍋の美味しい季節になりましたね。僕は鍋が大好きで毎日でも食べたいです。将来の夢はひと月毎日鍋を食べる期間を作ることです。よろしくお願いします。
それでは。

Next→次を書く自分。

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