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位置情報を晒して友達と繋がるSNS、Zenlyとは?おもしろさを徹底解説

どうも、東京都渋谷区桜丘町のファミレスでせっせとコードを書いている石ころです。平成最後のドリンクバーのコーラ美味しいです、感慨深いです。

位置情報共有アプリ「Zenly」が先日、ついに日経新聞でも取り上げられてしまったので、言及せざるをえないだろう。ということで書いていきます。

Zenly上で繋がっている友人らには、上記の僕の居場所がバレバレな状態です。Zenly上の友達の位置はリアルタイムでめちゃくちゃ正確な精度で把握できます。渋谷のどこのお店にいるのかまで分かります。

友達の居場所も僕にはわかります。ちなみに家マークが付いているのは、みんながあらかじめ自宅の住所を登録しておいたわけじゃないです。生活スタイルと位置情報(おそらく夜どこにいるか)でアプリ側が勝手に判断して家マークをつけているのだ。(友達の一人はずっと彼女の家に泊まっているので、彼女の家が家認定されてしまったw)

ここまで話すと、なんだか監視されているような、ストーカーアプリじゃないか!と怖がる人もいるかもしれませんが、そんなことありません。そもそも監視されて困るような親や恋人とは繋がりません。本当に気心のしれた友達とのみ繋がるのです。Zenlyのホームページからも分かる通り、アプリのキャッチコピーは、"Best Friends Only" だ。

チャット機能も付いているので、基本的には相手がどこにいるかをマップ上でチェックして、そこからDMするという一連の流れがワンセットだ。

こんな感じでマウントを取り合います。

これは12月24日、去年のクリスマスイブの日のやりとり。もちろん奴隷の石ころはオフィスでせっせと働いていました。

インスタにわざわざ神楽坂デビューしたという投稿をするまでもなく、こうやって自分の日常を共有できる。そもそも共有しようと思ってしたわけでもなく、自分は自然体のまま日常を過ごしているだけだ。このSNSの投稿ハードル低下については、アプリマーケティング研究所さんの記事が図解で分かりやすい。

僕が海外出張から帰ってきた時は、次のようなメールがきていた。

この人とはインスタでは繋がっていないので、僕がいつどこに旅立って、いつ帰ってくるかも伝えていなかった。僕の位置をずっとチェックしていたわけではなく、どうやら相手に通知が届いたようだ。

僕の友達が中国に行った時には、同じように僕にも通知が来た。

GW中に韓国に行ってる友達もいた。冒頭で僕とマウントを取り合っていた友達だ。彼はインスタでは発信しないので、Zenlyで初めてこの韓国旅行について知った。上記のチャットからも分かるように気心の知れた仲ではあるが、かといって、LINEで「今韓国きてるよ!」と僕にわざわざ報告してくるような関係でもない。

ちなみに相手が今いる場所に現時点で何分居続けているのかも表示される。

家にずっと引きこもってたら速攻でバレるわけだ。

ちなみに冒頭で、家認定されるという話をしたが、同様に会社認定もされてしまう。以下のようにパソコンのマークがつく。

マップ上で、休日出勤している友達のスクショをとり、DMを送ったりする。

社会人になると、インスタのストーリーで仕事頑張ってますアピールをする人が増える。現在時刻つきの時計を貼り付けた上での退社アピールや、深夜タクシーの動画など。こうゆうアピールはあまり好きじゃないが僕もついついやってしまう。そうゆう情報も、自ら発信しなくてもZenlyでは垂れ流ししてくれる。

また、自分がどこに居るかを隠したいときは、現在地の範囲を広げる曖昧機能を有効にしたり、今いる箇所に何時間か居続ける設定にしてくれる(違う所に移動してもマップ上反映されない)機能もある。もちろん、この設定を誰を対象に設定するかは、一人一人個別に設定可能だ。

Zenly上で繋がっている友達と実際にリアルで会うと、アプリがそれを判断してくれる。数週間後には、

石ころさんと会ってから1週間が経ちました。そろそろ連絡を取ってみますか?」みたいな表示が出てくる。あー、あの日からもう1週間かって考えさせられる。この機能にはわりと感動した。

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だいたい使い方を伝えられたでしょうか。

※ちなみにこのZenlyというアプリはフランスの会社が開発し、2017年にSnapchatが買収している。Snapchatは自身のプロダクトにもこの機能を「Snapmap」として組み込んでいる。もちろん子会社化させたZenlyは同時に存続させている。

ここから少し、Z世代ではなく、社会人としてZenlyを使ってみた感想を書く。

平成に誕生したLINEは何をしたのか?僕らに連絡手段を与えただけだ。誰か連絡を取りたい相手がいるなら、簡単にチャットできるよ。そんなLINEでは、連絡を取らない日が続くと相手はどんどん下に埋もれていく。LINEは残酷な装置だ。連絡を取らないと、もう一度連絡するハードルは上がり続け、その前にそもそも存在を忘れていってしまう。小学校、中学校、高校、予備校、大学、バイト先、会社の同期。数百人の友達がいる中で、目まぐるしく日常は過ぎ去っていく。現代人は忙しい。埋もれていっても仕方がない。連絡を取らない人はその程度の仲と切り捨てることも可能かもしれない。だが、本来はずっと"Best Friends"でいれるはずの相手を、社会の仕組みによって、疎遠にさせてしまっている要素もあると思う。

Zenlyだとマップ上にその人がいるだけで、「あ、今そこにいるんだ」って思う。と言うかまず最初に視覚に入るので、思い出す。インスタでも同じだが、インスタでは自ら積極的に投稿をしない限り、Storiesやフィードの前面に出てこない。Zenlyのおかげで、インスタには登場しない友達とのやりとりもめちゃくちゃ増えた。存在を思い出すし、話しかけるきっかけも提供してくれるから。それに、インスタで目に入るのは、本当に自分が興味がある人の情報ではなく、SNS登場回数が多く、たんに目立っている人だ。

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Z世代は、心を許した親しい人に情報を共有することに一切の抵抗がない。今の若者は、いつだって友達と繋がっていたいのだ。いや、今の若者に限らず、これまでも、これからも、きっとずっとそうだ。人間は人間である限り、コミュニケーションに飢えている。繋がることに飢えている。この本源的な欲望はどれだけ時代が変わっても変わらないことだ。AIで全ての産業が再定義され、UberやLyftの自動運転車が街中を走り回る世の中になっても、SNSというのは形を変えて、必ず存在し続ける。だからSNSというのは面白い。

今回のZenlyは、Google Map、GPS機能、スマホなどのテクノロジーの台頭により、他者との新しい繋がり方が出てきたっていう話だ。

平成が終わり、新しい時代に一体どんなSNSが誕生するのか楽しみです。それじゃあ、次は令和でお会いしましょう〜( ・∇・)

2019/4/30

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