受験生必読

受験生必読!評論文の読み方3つのコツ

大学入試の「現代文」。

苦手な人も多いはず。
そんな人はこれを読んでみると、練習の方針が見えてくるはず!


実は、現代文で出る2つのタイプの問題があるんです。

それが
(1)評論文・(2)小説でした。

(2)の小説は現代文対策としては「後回し」にします。

なぜなら、小説の対策はなかなか難しいから。


それよりも確実に点が取れるようになる「評論文」から見ていきましょう。

現代文の試験に出る「評論文」は、「新書」レベルの本から数ページ分文章を持ってきています。

試験の際は、出題された範囲から出てくるのです。

その際の読み取りのコツは3つあります。


現代文読み取りのコツ

(1)1つの文章で著者の「言いたいこと」は1つだけである

(2)文章の型はA→A‘→AかA→B→Aの2つしかない

(3)文章の中に登場しない情報は一切間違いである


以降、解説していきます。


(1)1つの文章で著者の「言いたいこと」は1つだけである

これはすごく大事なところです。

現代文の試験では文章の「一部」が出てきます。

それが「新書」レベルの本の「一部」だということはすでにお話しました。

センター試験の問題などを見ると、「一部」といってもものすごく文章があります。

「うわ〜、たくさん情報がある!」

そう思ってしまいがち。

ですが、違います。

現代文の問題では、「言いたいことは1つ」だけなんです。

つまり現代文の問題は「作者の言いたい1つのこと」をはやく理解するのがポイントなんです!

では、どこが「作者の言いたいこと」かをつかむ方法が次のものです。


(2)文章の型はA→A‘→AかA→B→Aの2つしかない

「作者の言いたいこと」をつかむのには、文章の型を知ることが必要です。

文章の型はA→A‘→AかA→B→Aの2つしかありません。

1つずつ見ていきます。

A→A‘→Aの型

作者の言いたいことを「A」と表します。

たとえば、「言いたいこと」が「18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ」というものだったとしましょう。

その場合、作者は「18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ」という「言いたいこと」を、どう表現するでしょう?

まさか「18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ。18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ。18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ。18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ……」と何度も書くことはありませんよね。

そうではなく、「言いたいこと」を言うためにはこんな感じにしますよね。

例)
18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ。なぜなら〜
アメリカでは〜
ある思想家は〜と言っている。

どうでしょう?

「なぜなら」「アメリカでは」「ある思想家は」と、「18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ」をちょっとずつ変えたことを書くはずですよね。

そのちょっとずつ変えたことが「A‘」になります。

なおこの「A‘」の読み方は「エーダッシュ」です。

数学では本来の文字を「ちょっと変えたもの」という意味です。

言いたいである「A」を言うためには、説明・具体例として「A‘」という「ちょっと変えたもの」が必要なんです。

でもほとんどの人は「A‘」が「作者の言いたいことだな」と思ってしまうんですね。


A→B→Aの型

続いてこちらの型を見ていきましょう。

作者の言いたいことが「A」というのはそのままです。

今度は「B」が出てきます。

「B」って何でしょう?

それは作者の言いたいことの「敵」となるものです。

先ほど、「A」を「18歳選挙権を積極的にすすめるべきだ」と定めました。

この場合の「B」は「18歳選挙権をすすめるべきではない」になります。

文章を書く時、説得力を上げるには「敵」を批判することです。

例えば、これまで「アメリカでは〜」「ヨーロッパでは〜」から始まる文章、見たことありませんか?

「アメリカでは〜〜が常識。でも日本では〜〜〜」

この場合は「アメリカ」と「日本」が比較されています。

こういうのを「二項対立」といいます。

何かと何かを比較しているわけです。

作者が何かと何かを比較する場合、「両方を言いたい」わけではありません。

必ず「どちらか」が優れていることを言いたいのです。

そんなときA→B→Aの形で、AとBとを比較し、最後に「やっぱりAが優れているよ」と伝えるわけです。


(3)文章の中に登場しない情報は一切間違いである

いよいよ最後になりました。

現代文の問題で一番ミスしやすいのがこれです。

文章の中に「書いていない」ことはすべて間違いとなります。


え、当たり前だって?

では現代文の問題の冒頭を見ましょう。
何て書いてありますか?

おそらく「次の文を読んで、あとの問に答えなさい」のはず。

ポイントは「次の文を読んで」です。
問題文にない情報は一切間違いなんです。

文章読解の問題では、設問があります。

設問にも、文章に「書いていない」情報があればそこは間違いになります。

「文章に書いていない情報は一切間違いである」ということは、

問題を読み解く答えは必ず文章中にあるということです。

正しく読めれば、必ず答えられるんです。

その正しく読むやり方を、今後お伝えしていきますね。


現代文の力を上げるには、本文を要約すること!

さあ、現代文の読み取り方を見てきました。

復習しておきましょう。


現代文読み取りのコツ
(1)1つの文章で著者の「言いたいこと」は1つだけである
(2)文章の型はA→A‘→AかA→B→Aの2つしかない
(3)文章の中に登場しない情報は一切間違いである

この読み取りを一番効果的に学ぶ方法。

それが「要約トレーニング」です。

作者の言いたいことを、決められた文字内でまとめる、というものです。


要約ができるということは、正確に文章を読み取れている、ということです。


実は、大部分の人は「なんとなく」でしか現代文を学べていません。

それは「ちゃんと理解できているか」を確認できていないからです。

だからこそ、現代文の対策に「要約トレーニング」が必要となるのです。


さあ、それくらい大切な「要約トレーニング」。
要約をすすめる方法のコツも、この「現代文読み取りのコツ」と同じです。


要約を進める方法

(1)作者の「言いたいこと」が何かを読み取る(あ、これ言いたいことだな、と思うところに線を引いておく)

(2)文章の型がどんなものか把握する(A→A’→Aか、A→B→Aか)

(3)要約の文字数に応じて、どの程度までA’を入れるか、Bを入れるかを考えながら書いていく


まあ、これは課題をやりながら考えていけるといいですね。

ポイントとなるのは(3)です。

(1)と(2)は文章を正確に把握できればOKです。

作者が「言いたいこと」以外で書いている「A’」や「B」を、文章の流れを保ちながら書いていくのが(3)にあたるところ。


・・・まあ、ちょっとやってみてくださいね!

なおこの「要約トレーニング」、私だけではなく大野晋(おおの・すすむ)という言語学の大家が〈文章の力を高めるための絶好の方法〉として勧めているものです。

紹介しているのは岩波新書『日本語練習帳』(新書ですね)。

ぜひ意識してやってみてください。

具体的には新聞の「書評」を原稿用紙1枚、つまり400文字で要約する、という練習です。

1度やると、コツもつかめます。

ぜひ、実際にやってみてください!


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