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不易流行|北京五輪開幕|2022.2.5

 寅年の春節に北京オリンピックが開幕した。張 芸謀 (チャン・イーモウ)監督はこの難しい大役を見事に完遂。24節気から始まり、スポーツの大切さ、世界の結束が今ほど必要な時代は無いのだと映像、演出、聖火台にメッセージを込めた。一方、彭帥(ほうすい)さんが最終聖火ランナーに出場か?という一部憶測は霧と消えた。

 これほど世界中が困難な課題を抱えた時期に五輪が開催されるのは史上初かもしれない。世界的なコロナパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、イスラム国首領排除、コンゴのレアメタル紛争、開催国中国も、新疆ウルグイ自治区弾圧、香港メディア弾圧、恒大集団の破綻など枚挙の暇が無い。多くの西側諸国は政治的ボイコットを貫き、政治家や王族が参加したのは25カ国に止まった。日本は「政治的ボイコット」という言葉こそ使わなかったが、西側諸国に倣った。

 IOCバッハ会長の大会挨拶に耳を傾けると、この時代に必要な発言だったと思う。オリンピック憲章根本原則と国連のオリンピック休戦決議を例に取り「スポーツを愛し、世界中が結束できる対話のある時代を作り出そう。オリンピック休戦決議の大切さを今こそ再確認しよう」と世界中に強くメッセージを発信した。習近平国家主席とプーチン大統領はこの言葉をどう受け止めたのだろうか。彼らだけではない。隣国日本に住む、わたしたちもこのことをどの抽斗に入れたのだろうか。

 わたしたちにできることは、17日間のスポーツの祭典をただただ愉しみ、この大会が無事に終わること、紛争の勃発のアリバイに使われないことを祈ることかもしれない。社会課題は解決する。きっと。

参考文献
オリンピック憲章


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