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「〇〇療法」「〇〇セラピー」はもう、いらない

上記が
「PIAS 麻布カウンセリングセンター」(18年4月開室)を立ち上げるに至った、私の実感です。

私は、中学3年生の時に
自分は対人恐怖症だ、と思って
「森田療法」の本を読みました。

そして「森田療法をやりたい」
と親に訴えたところ、
鼻で笑われて相手にされず。

高校1年になって、
今度は「交流分析」の本を読みました。
この本の中に
「死にもの狂いのストローク」という概念があり、

「誰からもストローク(情緒的・肉体的に他者からもらえる刺激=愛情)がもらえず、絶望的な寂しさの中、自分で自分に与えるストローク。
恋人のつもりで自分宛に手紙を書いてポストに投函したり、プレゼントを自分に郵送したりする」


15歳の私はこれをやってたんですわ笑笑

自分の絶望的状態に打ちのめされ、そのあと本に何が書いてあったか、覚えてない笑。


生きる事がつらく「精神科に連れて行って欲しい」と親に訴え、
近所の「精神神経科」に
連れていってもらい、心理検査を受けるも
「思春期ですからねぇ(笑)
妄想も無いですし、何も心配いらないでしょ」
で終わる。


次に、大手進学塾の学生相談室にいた、精神科医に面接。

当時、1980年代後半。
まだインターネットもありません。
私が摂食障害で苦しんでいると伝えると、医師は
「摂食障害⁉︎そんな言葉、よく知ってるねぇ〜驚いた!」と言う。
そしてこの医師は一応、どんな夢を見るか、などを聴き、やたら性欲の話をする。

高校3年になっていた私は、当然のことすでにフロイト精神分析を知っていましたから、
「あーこの医者は、食欲=性欲というわけで、私が性欲を抑圧しすぎて摂食障害になったと、そう考えたいわけだ」
とわかりました。

しかしね。そこまで単純化するのは無理があるし、私は恋愛依存症でもあるんで、

的外れなのよ。

(私の恋愛依存症についてはこちらの記事をどうぞ→ 依存症の治し方「治さないで治るんだよ」)

…とか、内心で私が思っていたとは、あの医者は想像も出来なかったでしょう。
「摂食障害」を知っているだけで驚くくらい、高3の私をアホと思っているわけだから。


今思えば、この医者に致命的に足りなかったものは、

「愛のある眼差し」でした。

一応聴いてくれてるんだけど、常にバカにされている感じがしました。
(こういう医師、最近は減ってるのかな?サービス業の時代・クレームの時代だから、医師も態度を良くしないと、客来ないですからね)


その後、
たまたま近所の総合病院の小児科に、
児童心理学者の内田良子先生が居て、この人に出会えたことが
私の最初の救いになりました。

内田良子先生に出会えなかったら、私は親を殺していたかも知れないです。
これは大げさではなくて、内田先生は私の両親に、
「あなたたち、殺されますよ。寝室に鍵をかけなさい」
と真顔で伝えたのです。


その後、私の人生は動き出します。
摂食障害は治っていませんでしたが、劇団を立ち上げました。

そしてまた数年後の20代半ば、
当時「アダルト・チルドレンと家族」で大ブームだった精神科医の斎藤学先生と出会えました。

斎藤学先生とは、結局「一生のお付き合い」
になってしまい、
今回ご一緒させていただいて、さいとうクリニックのお隣りに
PIAS 麻布カウンセリングセンターがオープンする、というわけです。


ちなみに、大学や大学院では、神学カウンセリングや交流分析や認知療法や集団療法を学びましたが、
知識は今の仕事に役立つものの、
私を救いはしなかったなぁと思います。


私を救ったのは「〇〇療法」「〇〇セラピー」
ではなく、
「治療者との出会い」
でした。

それが心理治療の真実だ、と私は確信するのです。

世の中には、ナントカ療法、ナントカセラピーが次から次へと出てくる。

しばらく認知行動療法ブームが続き、
最近だと「人間関係療法」とかですかね。


10代の私がそうだったように、悩む人々は彷徨う。
これが私を救ってくれるんじゃないか?
こっちならどうだろう?
と。

ナントカ療法がくだらない、と言ってるんじゃないですよ。
専門家としてお金とるには、武器や技術が身に付いて無きゃダメです。

しかし、心の回復において最も、
何よりも必要なのは
「かけがえのない人に出会うこと」
です。


そのため、PIAS麻布カウンセリングセンターは
PIAS(Paradoxical Intervention Approach by Saito=斎藤学式逆説介入アプローチ )
というのです。

斎藤療法ではなく、アプローチ。
接近法。
私があなたに接近するやり方だと言っている。

治療法があなたを救うのではなく
あなたと私の出会いが、かけがえのないものになること。

それが、センター設立の願いです。

これを読んでくださった、あなたとの出会いを楽しみにしています。




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