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もしもあなたが「何をしたいかわからない」のなら

ある時、あるクライアントから
「石川先生、とてもお忙しいと思うんですけど、いつブログ書いてるんですか?」と
尋ねられました。


私はこのブログを、たいてい真夜中に書いています。
眠れない時や、眠りたくない時です。

翌日、確実にしんどくなるな、とわかっていても、
眠れない、いや眠りたくない時って
あるじゃないですか。

今日という日の、なんというか日中の光化学スモッグのような、チリやホコリにまみれたまま、眠りにつきたくない、
(比喩ですよ…お風呂は入ってます)
ガラガラと崩壊した「私」を放ってうやむやに眠ってしまいたくない。

いや違う、今日という日をこれで終わるのは不本意だ、まだ終われない。
私が私でいるためには…

私らしい時間が必要だと思う。


私は幼い頃から言いたい事がたくさんある人だったのか、お喋りな子どもでした。

そして小学校1〜4年生まで、
「作文の天才児」としてその名を轟かせていました(笑)。

いやホント、自慢話ですけどね
作文の時間に
他の子たちが原稿用紙1枚をやっと埋める間に、私はなんの迷いもなく3枚ささっと書きあげ、
しかも、書けばかならず区や都の文集に載るクオリティ。

あまりに私の作文が文集に載る頻度が高く、
他の子たちに不公平であるとの学校側の判断により、
私の親は担任から
「すみません。今回も石川さんのが一番素晴らしいんですが、他の子も載せないと苦情が出るので…」と謝られたそうです。


そのようなわけで、
子ども時代の私の自尊心はほとんど「作文力」に支えられていた、かもしれません。


しかしなんで小学4年生までか、というと
私にとって猛烈に不幸なことに、
5・6年生連続で担任になってしまった若い男性教師が
「作文が嫌い」と
公言するアホな男で、作文をまったく書かせなかったから。

唯一、卒業文集の作文だけ書かされましたが
この時、初めて私の作文を読んだ担任教師は、
何を言うかと思いきや

「石川!お前だってやれば出来るじゃないか!」

ですと…。

あの。
それ褒めたつもりか知りませんけど
完全に、「落ちこぼれの子」に言う褒め言葉ですよね…?

私は11歳から摂食障害を発症していましたので、5.6年生の頃ですね、
毎日遅刻するし、もうすっかり「何の取り柄も無い子」に成り果てていたのでした。


学校で、作文を書く機会がすっかり無くなって、
私は自分の良いところを見せる機会が無いなぁ…と子ども心に感じていました。

それで確か6年生の時、
勇気を出して担任に尋ねたんです
「どうして作文の時間無いんですか?」と。

そしたらその男性教師

「オレ作文嫌いなんだよ!読むの面倒だろ!」
と悪びれもなく言い放ちました。

大人になった今では
ほんとアホだったわあの男。で済む話なんですが、
小学生くらいの子どもにとって、担任は絶大な存在です。

お先真っ暗だと思いましたね。

自分らしさを表現する時間がどこにも無いって、
生きているのがつらくなるくらい、
重大な問題だと思うのです。


その後、私の「作文力」は
そこそこ発揮できる時もありましたが
私自身が、作文に興味を失いかけていました。


しかしその後、大人になって
私の「作文」が突然、評価された瞬間が
ありました。


私のブログをよく読んでくださっている奇特な方はご存知の通り、
20代前半の私は劇団をやっていました。


もっと女優として売れたいと思った私は、
自己アピールのつもりで、自分の書いたエッセイと、舞台作品のビデオを
ある有名芸能プロダクションの社長宛に送ったんです。

すると、まったく期待していなかったのですがなんと、
プロダクション社長から電話が来て、会ってくださると!


ものすごく緊張しながら、私はプロダクションに面接に向かいました。

出てきた社長は、とても優しい眼差しのオジさんでした。
(見た目はオジさんでしたが実は女性でした。つまりトランスジェンダーの方でした余談です)

その彼(彼女?)は私の舞台作品のビデオはどうでもよかったらしく笑、

エッセイに注目していました。

そして
「あなたの書いたのものは、現代的な若者の心理をうまく表現している。
とてもいい。
例えば宮藤官九郎さんみたいな、今風の感性があると思った。そこで、脚本にチャレンジしてみない?
うちの女優(誰でも知ってる大女優さん)で、40代夫婦の不倫の映画をやりたいと思ってるのだが、興味ない?」

といきなり振ってこられたのです。


脚本家になろうなんて考えたこともなかった私は、
自信もまったくありませんし、
まだ20代で「40代の不倫」は遠すぎるしで、
おずおずと後ずさりするように
辞退して帰るしかありませんでした。


しかしこうして、
やっぱり私は「作文」が評価されるようだということを、
小学生以来15年ぶりくらいに、思い出した瞬間でした。


そして紆余曲折を経て
40代の今、
私はまた戻ってきたんだと思います。

「書くことで、私らしさを表現する」という
ところに。


あなたには、自尊心の支えになるような
「自分らしい時間」
がありますか。

もしも、疲れる毎日で、
日中の光化学スモッグにやられて眠れず、
つらいと感じていらっしゃるのでしたら

あるいは、やりたいことが出来ないどころか

「やりたいことなんて、なんだかわからない」

と感じているのなら、
あなたがあなたらしくいられる時間を探しましょう。

もし独りで探すのがつらいと感じたら、
私に会いに来てください。
私にお手伝いできることが、あると思います。




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