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「出力の仕方」を覚え始めた大島僚太と、覚醒しつつある知念慶。そして、撃ち合うのではなく、守備の強度を高めて受け切った鬼木采配。(リーグ第7節・サガン鳥栖戦:1-0)

 駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖戦は1-0で勝利。

 無事にリーグ戦2勝目をあげました。

 ただ試合後、決勝弾を決めた知念慶は「内容は良くなかったので、個人的にはすっきりしない」と表情が冴えません。ミックスゾーンで話す他の選手たちからも内容に満足したコメントが聞かれることは少なく、みな一様に反省点を口にしています。

 満足できる内容ではなかったのは確かでしょう。

しかしサッカーはときに泥臭く、したたかに進めなくてはいけないスポーツでもあります。負けているチームが終盤に仕掛けてくるなりふり構わないパワープレーもそうですし、逃げ切りたいチームだって、華麗さをかなぐり捨ててでも、リードを守らなくてはいけないことがあります。この試合はそういうゲームになりました。

そして、勝ったことで、より前に進んでいくことができるのもサッカーです。少なくない収穫もあったと思っています。そんな一戦をいつものように振り返っていきたいと思います。

ラインナップはこちらです。

1.今季初先発の舞行龍ジェームズと下田北斗。チャンスを待ち続けた二人を、このタイミングで起用した狙いを読み解く。

2.「(縦パスは)通せそうだけど、通っても厳しい。通させないというよりも、通ったのを狙っている感じでした」(知念慶)、「2手先、3手先を読んで、サイドに(ボールが)行って、サイドの選手がどうかなというのもあった」(下田北斗)。効果的な仕掛けにならなかった前半のサイド攻撃。展開した「その先」で、足りなかったものとは?

3.「2トップになって守備がはまるようになった。役割もはっきりした」(下田北斗)、「鳥栖のように頑張ってくるチームとやるときは、ああいうもの(前半)だと思う。前半を耐えたことが全てだと思う」(阿部浩之)。後手を踏み始めた前半に打ち出したシステム変更を読み解く。

4.「そこは見逃さないようにして蹴りました」(大島僚太)、「それはスタッフからも言われてましたし、個人的にも狙っていました」(知念慶)。「出力の仕方」を覚え始めたリョウタと、覚醒しつつあるチネン。新ホットラインで生み出した得点シーンに凝縮されていた狙いとは?

5.「結果的に失点ゼロで抑えられたことが全て。みんなで声を掛け合いながらやれた」(大島僚太)。「撃ち合う」のではなく、守備の強度を高めて「受け止め切る」という鬼木采配。ピッチでも共有されていた「我慢」で掴み取った勝ち点3の意味。

以上、5つのポイントで全部で約9000文字です。鳥栖に応援に行った方も、DAZN観戦で応援していた方も、読んで勝利を噛み締めてもらえたらと幸いです。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第7節・サガン鳥栖戦)

では、スタート!

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