劇的ドローの歴史に、長谷川竜也による強気の仕掛けあり。土壇場のモリモト弾を引き寄せた、左SB・タツヤのメンタリティーとは?(リーグ第24節・ヴァンフォーレ甲府戦:2-2)

山梨中銀スタジアムでのヴァンフォーレ甲府戦は2-2でした。

 難しい試合でしたね。
難しい試合になった理由として、フォーカスされたのが両チームのコンディション面だと思います。

 川崎フロンターレは、この夏場に1週間で3試合目。一方で、ヴァンフォーレ甲府は1週間のインターバルがありましたから、その違いを考えたら、そこは差があって当然です。

ただゲームを見ていて気になったのは、「身体」よりも「頭」のところです。

 どういうことか。
中三日で迎える甲府戦に向けて、鬼木監督は「頭の中で映像を揃えるとか、そういう作業が多くなる」と話していました。

 実際、試合後の二日間をコンディション回復に重点を置いていますし、試合前日はセットプレーが中心になります。甲府の戦い方を想定し、ボールを使ったトレーニングによる落とし込みなどは、やれたとしてもピンポイントでしか行えず、ミーティングで概要を確認してゲームに臨む、というリズムになってしまいます。

 対する甲府は、この1週間、入念に準備してきたのでしょう。
フロンターレの想定した上で、的確に急所を突いてきました。それを受け止めながら試合を進めるのは、簡単ではありませんでした。

では、試合のポイントとなった場面について語っていきます。ラインナップはこちらです。

1.頭の中を揃えて臨んだ川崎フロンターレに対して、甲府が徹底してきた3つのポイントとは?

2.縦と横で崩せないなら、ナナメを使って崩せばいい。そして絶妙だった、天才・家長昭博が見せたボールを晒す技術。

3.中村憲剛不在の残り時間4分の1をどう進めるべきか。彼の使い方と、下げた後の試合運びを考えなくてはいけない理由。

4.今季の劇的ドロー歴史に、長谷川竜也による強気の仕掛けあり。「まだ追いつけるし、追いつくために自分が投入されたんだなと思ってます。逆に燃えます」。土壇場のモリモト弾を引き寄せた、左SB・タツヤのメンタリティーとは?

 以上、4つのポイントで約5500文字です。劇的な同点弾だったため、どうしても森本貴幸ばかりにスポットが当たりますが、左サイドバックでプレーした長谷川竜也の強気な姿勢にもフォーカスしてみました。ゴールというのは、いろんな思いがあってこじ開けるものだと実感します。よろしくどうぞ。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第24節・ヴァンフォーレ甲府戦)

では、スタート!

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