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「こうやって5バックの相手にはやっていく。そのイメージはできたと思う」(中村憲剛)。フロンターレ式5バック攻略の最適解とは?(リーグ第23節・北海道コンサドーレ札幌戦:2-1)

 等々力競技場での北海道コンサドーレ札幌戦は2対1で勝利。これでリーグは3連勝。翌日の試合で横浜F・マリノスがヴィッセル神戸に引き分けたため、川崎フロンターレが3位に浮上しました。

・・・いやはや、稀に見る悪天候でしたね。
多摩川花火大会が中止になるほどの豪雨と雷でしたが、無事に試合が開催されてよかったです。あの悪天候でも水が溜まらない等々力のピッチは、相変わらず、素晴らしいですね。

 さて試合のほうはというと、ボールを失わない技術力で地上戦をしていく川崎フロンターレと、ジェイと都倉賢の高さを武器に、空中戦で戦う北海道コンサドーレ札幌・・・・両者の特徴から考えて、このようなサッカースタイルがぶつかり合う試合展開だと予想されていました。

 実際、おおむね間違いではなかったのですが、だからこそ、思わぬところで生んだ「違い」がゲームに面白さを加えましたね。そんな話を中心にレビューしてみました。

 今回のラインナップはこちらです。

1.札幌の守備組織をズラした、CB・谷口彰悟とボランチ・大島僚太による「フリーの定義」。あえて強調したい、先制点の細部に宿っていた「フロンターレらしさ」とは?

2.「こうやって5バックの相手にはやっていく。そのイメージはできたと思う」(中村憲剛)。「辛抱強くボールを動かしながら、札幌さんのゴールをこじ開けることができた」(エドゥアルド・ネット)。5バックは、もう怖くない。フロンターレ式5バック攻略の最適解とは?

3.絶妙すぎた浮き球パス。地上が「渋滞」していたからこそ、◯◯を使って崩した大島僚太の判断と選択とは?

4.まさに「ドリブルこそチビの生きる道」。高さを警戒していたからこそ手を焼いたチャナティップとの地上戦を読み解く。「大きい選手の中で、ああいうひとりが間で受けたり、スペースで受けられる選手がいたのでやっかいだった」(奈良竜樹)。

5.「僕らが動いたら、一発で出てくる。動き出すことが大事ですね」(家長昭博)、「(先制点は)ボランチの位置から家長選手が上がってきたと思います。あそこでボランチがついていくのか。それとも後ろに受け渡すのか。ああいう穴は突かれてしまう」(福森晃斗)。家長昭博がフロンターレに注入したエッセンス。そして札幌守備陣に与えていた脅威とは?

 以上、5つのポイントで約7000文字です。今回はどちらかといえば、ピッチ上で行われていた駆け引きよりも解説のほうを多く取り入れたようなテイストにしてみました。理由は読んでもらうと、わかります。よろしくどうぞ。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第23節・コンサドーレ札幌戦)

では、スタート!

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