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「謙虚に、泥臭くやっていきたいと思います」。試合後の家長昭博が語った、力負けをした現実があるからこそ冷静に向き合うべきこと。(リーグ第27節・ヴィッセル神戸戦:1-2)

等々力競技場でのヴィッセル神戸戦は1-2で敗戦。

 これでヴィッセル神戸には天皇杯とリーグ戦で連敗となりました。
天皇杯の負けを生かすべく、鬼木監督が入念な準備と対策を施して臨んだことは十分に伝わってくる試合だったと思います。ピッチに送り出された選手も、誰一人手を抜いていません。

 それでも神戸を上回ることができなかった。それだけに、重い負けです。

 試合後の家長昭博は、「90分間で負けたので、力負けだと思います」と最初に切り出しました。彼の言葉通り、チームとして力負けした結果だということを受け入れなくてはいけないのかもしれません。

 もちろん、あれだけの規格外の面子を揃えて、それがチームとして噛み合ってきたのだから、ベストメンバーのヴィッセル神戸がとんでもなく強いのは当然です。ですが、実際にその現実を目の前のピッチで突きつけられると、悔しいものがあります。

 大事なのは何か。
この現実から目を逸らさないことです。そして対戦相手だけではなく、自分たちにも目を向けることだと思います。

そんなことを考えながら書いたのが、今回のレビューです。ラインナップはこちらです。

1.「(酒井高徳選手は)世界で活躍していた選手ですし、代表でも常連でプレーしている選手。1対1の攻防はすごく楽しかった」(守田英正)。入念な対策と準備で主導権を渡さなかった右サイドの攻防戦。そして、前半に見せていた「右サイドで時間を作って左で仕留める」という形の狙い。

2.「失点するまで、自分たちの守備の形である、前から行ってGKに蹴らせるという形で、決定的なピンチはなかったと思う。飯倉に蹴らせて、それを拾って回収する形での手応えはあった」(中村憲剛)、「最初、握られてましたが、少しずつ相手もじれてきて自分たちが握れる時間も増えてきて、結局相手にシュートを打たせてないと思うので。そういう意味では別に悪くなかったかなというのはあります」(田中碧)。失点するまでに掴んでいた守備の手応えと、ボールを保持した展開で違いを作り出せなかった攻撃。

3.「自分の感覚の中では、あれは普通につなげるところだったので。碧も『見えてて、それで相手に当たってしまった』と言っていたので。ただ、それでも失点してしまった」」(中村憲剛)、「あそこの少しでもコースを限定して、GKにシュートを打たれる時は、楽なコースにしたかった。そこは残念ですね」(車屋紳太郎)。あのとき、何が起きていたのか。試合の構図を決めた前半終了間際の失点シーンを検証する。

4.「役割がはっきりした分、押し込める時間帯もありました」(田中碧)、サイドから崩せる感じはあったので、そこはシンプルにつける。自分もボランチの位置に入ったりして、相手のマークをズラす感じでやってましたが、なかなか高い位置を取れなかった」(車屋紳太郎)。「抑えることと枠に飛ばせれば、何か起きるんじゃないかと、いう感じでした」(守田英正)。巻き返しの後半に鬼木フロンターレが見せた、あの手この手。そして起きなかった等々力劇場。

5.「個人的にもそうですが、チームももう一踏ん張りしないといけない。謙虚に、泥臭くやっていきたいと思います」。試合後の家長昭博が語った、力負けをした現実があるからこそ冷静に向き合うべきこと。

6.(※追記:10月3日)「だから負けました、は言いたくない。すごく悔しかったから。でも見せつけられたところも多少はある。やっぱり1点目が分水嶺だったかな。ああいう相手だったからこそ」(中村憲剛)。試合を3度見直した中村憲剛が語った、神戸戦のあれこれ。

以上、6つのポイントで全部で約15000文字です(※10月3日の後日取材で、ポイント6を追記しました)。色々と考えることも多かったので、これだけのボリュームになりました。よろしければどうぞ。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第27節・ヴィッセル神戸戦)

では、スタート!

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