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神戸守備陣を中央から打ち抜いた大島僚太の冷静な崩しと、小林悠が取り組み続けていた「空間を作るターン」。(リーグ第11節・ヴィッセル神戸戦:2-1)

 ノエビアスタジアム神戸でのヴィッセル神戸戦は2-1で勝利。

 厳しい試合でしたが、終盤に小林悠の決勝点で勝ち切りました。
ベンチワークも含めて、チーム全員で掴んだ勝利だったと思います。

 個人的な印象としては、この試合のエドゥアルド・ネットと大島僚太のダブルボランチは、いつも以上に素晴らしい出来だったように感じましたね。

 大島僚太のプレーは、あの決勝点のパスだけでご飯が3杯おかわりできそうなぐらいですが、ネットのプレーも、中盤で相手3人に囲まれながらもターンしてかいくぐって局面突破をした、鬼のようなキープ力が圧巻でした(27分の場面)。あれも、ご飯おかわりできますね。神戸牛もいけますね。

 試合後のミックスゾーンでは、試合のいくつかのポイントに関する見解をネットに聞いた後、「大島僚太との関係性が、今日は特に素晴らしかった」と伝えてみました。

 ネットからいつものように「特にリョウタとは話す必要もないぐらい(良いコンビ)。見ればわかるような関係だよ」とサラリと言われ、「自分たち二人が素晴らしかったというよりは、チーム全員で頑張った結果」とまとめられました・笑。

 おそらく大島僚太にネットのことを聞いても同じ回答が返ってくると思いますけど、お互いに会話はしないけど、抜群の呼吸がある・・・・相変わらず、不思議なダブルボランチコンビですよね。

さて。では試合を振り返っていきます。今回のラインナップはこちらです。

1.「(前半は)カウンター合戦のようになってしまった。(ゴール前まで)行けてしまうので、スピードを上げすぎてミスってしまった。行くんなら、2点目を仕留めないといけなかった」(小林悠)。先制点というアドバンテージを得たものの、追加点を奪えなかった前半。後手を踏むことになる後半に向けて、起きていた誤算とは?

2.「行けるけど、あえて時間を作ってもいい。相手を一回自陣に帰らすというか、走らせること」(阿部浩之)。シュート9本の前半の展開で必要だった「時間を作ること」とは何か。試合後の阿部浩之が口にした言葉の意図を読み解く。

3.「パワーのある選手が入ってきて、少し難しい展開になった」(大島僚太)、「1点のリードだと、明らかにサッカーを変えてくるチームには簡単ではなかった」(中村憲剛)。悔やむべきは、三田啓貴のゴラッソではない。システム変更と采配で攻め手を変えてきた神戸の攻撃に、なぜ対応しきれなかったのか。

4.「選手が退場すると、相手はああいう守り方になる。チャンスになる限り、プレスをかけて、ボールを奪って、また攻める」(エドゥアルド・ネット)、「途中で入ってきたタツヤ(長谷川竜也)だったり、広くサイドから攻めていこうと思っていました」(大島僚太)。鮮やかだった、神戸守備陣のブロック崩し。なぜダブルボランチは左右を使いながら、焦らずに中央の門を打ち抜けたのか。

5.「オニさん(鬼木監督)がなぜ自分をピッチに残したのか。最後のために残しておいたと思ったし、その期待に応えないといけないと思った」。あの決勝弾をディープに読み解く。小林悠が取り組んでいた「空間を作るターン」にあった、その試行錯誤とは?

 以上5つのポイントで、全部で約10000文字ぐらいあります・笑。決勝点を詳しく解説していますし、読み応えもあると思います。

なお、プレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・ヴィッセル神戸戦)

では、スタート!

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