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相手に動かされた守備陣と、相手を動かせなかった攻撃陣。そして今季の鬼木フロンターレを象徴する現象とは?(リーグ第8節・ベガルタ仙台戦:0-0)

ユアテックスタジアム仙台でのベガルタ仙台戦は0-0でした。

 仙台での4月ナイターゲーム、さすがに冷えましたね。それなりの厚着をしていきましたが、ブルブルと震える寒さの中での試合観戦となりました。

 スコアレスドローでしたが、個人的な印象としては、ベガルタのゲームだったと思っています。前半から守備陣が左右に動かされて、何度か危険な場面を作られました。

 ただ、そんな苦しい展開でも守備陣が踏ん張りました。特に奈良竜樹のカバーリングの速さや、スライディングタックルの鋭さが戻ってきたのは、明るい材料ですね。

 一方で、気になるのは無得点に終わった攻撃陣です。シュート数は試合全体で4本。前半は家長昭博のシュート2本がポストに嫌われる惜しい形でしたが、猛攻を仕掛けた後半もシュートわずか2本。それもどちらも前線の選手ではなく、サイドバックのエウシーニョと車屋紳太郎が放ったシュートでした。後半に関しては、決めるべきところで決められなかった「決定力不足」ではなく、決めるべき場面も作れなかった「決定機不足」になっていていたことが気になるところです。

・・・ということで、今回のレビューでは、劣勢を招いた試合展開を読み解きつつ、チームが抱えている問題の背景について、詳しく書いてみました。ラインナップはこちらです。

1.守備組織を動かされて、後手を踏んだ前半。準備していた仙台対策の狙いを外された二つの理由とは?

2.「ポジショニング一つとっても、もう少しつなげる方法はあったと思っています」(大島僚太)、「自分が受けるのをやめてしまった。受ける姿勢だけでも出さないといけなかったと思います」(守田英正)。仙台の守備を”動かせなかった”前半の攻撃を検証。ビルドアップで違いを作り出せなかった原因を探る。

3.「大きなボールで逃げてしまったかなという印象があります」(鬼木監督)。前半の攻撃の問題点は、「知念頼み」になったことではない。そこの◯◯◯◯ができていないままに、多用していることにある。そこに潜んでいた、今季の鬼木フロンターレを象徴する現象とは?

4.猛攻を仕掛けるも、シュート2本で終わった後半。フィニッシュメイクを担う中村憲剛、阿部浩之、大島僚太の3人がそれぞれが語った、決定機が作れていない背景にあるもの。

 ポイントは4つですが、全部で約8000文字ですので、それぞれのポイントで読み応えあるものになっていると思います。よろしくどうぞ!

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第8節・ベガルタ仙台戦)

では、スタート!

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