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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第34節・大宮アルディージャ戦)

12月2日は等々力競技場で大宮アルディージャ戦です。

そしてこれが2017年の鬼木フロンターレのラストゲームとなります。そういう試合をリーグチャンピオンの可能性を残したポジションで争えることは幸せでもあります。

 優勝の可能性があるのでどうしても力が入ってしまいますが、だからといって特別な意味を込めすぎて臨むのも良くないのでしょう。例えば、奈良竜樹は実に冷静でした。

「勝てば優勝ならばそういう特別な思いはありますが、僕たちは勝っても優勝できるかわからない。言ってしまえば、34分の1試合。変に気負う必要もないですし、しっかりと1年間、オニさんの元で積み上げてきたものを出せれば、大宮に対しては良い試合ができるし、結果もついてくると思う。そこに対して集中することですね。勝って優勝できないのならば、鹿島をほめるしかない。でも負けたり、引き分けたりして悔しい思いをするというのはしたくない」

去年のセカンドステージ最終節は、等々力でガンバ大阪に勝てば、浦和の結果次第では年間1位の可能性がありました。浦和は引き分けたのですが、フロンターレがガンバに2-0から逆転負けをしたことで年間1位を逃しました。大事なのは、やはりベクトルの矢印を鹿島ではなく大宮に対して向けて勝つことです。

では、そんな試合の見どころをディープに語っていきます。ラインナップはこちらです。

1.「連戦ではあるが、それを抜きにして、自分たちがやってきたものをどれだけ出せるか。それプラス、自分たちのサッカーを出すことが結果につながる」(鬼木監督)。見せるべきものは、チームとしての積み重ねに他ならない。2017年のラストゲームの予想スタメンは?

2.「これ以上の怪我でも出たことがあるので」。守護神チョン・ソンリョンの覚悟を聞いて思い出した、車屋紳太郎とのあるエピソード。

3.「1点とっても、2点目、3点目を狙いにいく。そのほうが脅威だと思う」(谷口彰悟)。「試合の流れを見ながら、チームが一つになって戦えたらいいと思います」(大島僚太)。3試合連続の「ウノゼロ」を目指すべき・・・ではない理由とは?

4.優勝がかかっていたフロンターレと等々力で対戦するのは、どんな感覚なのか。去年の1stステージ最終戦に大宮の選手として先発していた家長昭博に当時の記憶を聞いてみた。そして自らが感じる今年の成長と平常心で臨むために心がけていることとは?

5.「苦しいゲームもコバくん(小林悠)のゴールで助けてもらった。だから、ここで優勝チームのキャプテンにしてあげたい」(登里享平)、「泣いても笑っても残り90分なんで。今、持っているものをみんなが出し切れば良いなと。そこの壁を越えられないと先はないのだから、みんな意識していると思う」(田坂祐介)。2009年の優勝争いを知るノボリとタサカ。二人が語った、その思い。

以上、5つのポイントで約8000文字です。選手はいつも通りに試合をしようとしているので、このプレビューもいつも通りです。よろしくどうぞ。

なお、ミッドウィークに行われた前節浦和戦のレビューはこちら➡️なぜ家長昭博は1対2でも強引な突破を仕掛けたのか。谷口彰悟の予測と家長昭博の決断と、そして小林悠の強い気持ち。3つが結実して生まれた決勝弾を読み解く。(リーグ第33節・浦和レッズ戦:1-0)

では、スタート!

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